神話につながる地が多いというアイルランド

「ケルト、神々が住む聖地」ヘクター・マクドネル著(創元社)

ケルトのイメージが強いアイルランド。そこはストーンサークルなどの巨石文明の遺跡があり、ケルトとキリスト教が融合した文化を見ることができ、妖精伝説が残る国。ユーラシア大陸の端と端に位置するアイルランドと日本は不思議な一致点もあるように感じます。

そのアイルランドは、妖精伝説をみるまでもなく、神話的な題材のの宝庫で丘や山、川、谷、湖といった場所に神話へとつながる伝説が多々あるといいます。

アイルランドに人が住み着いて数千年後、鉄器の文化をケルト人が伝えたそうです。そこでもとから伝わる神話とケルトが融合し、新たにアイルランドの伝説を作りかえたと。

さらに中世にキリスト教が伝来し、その地に残る伝承に聖書の物語を結びつけ、書き換えていったと言われています。それが聖ブリジットの信仰などに見ることができる。元はケルトの女神だったのがキリスト教の布教によりブリジットに習合していったという経緯がある。

この本によると、書き換えられた神話により、アイルランド民族の祖先は旧約聖書にさかのぼるとのこと。ノアの系列にニールというエジプトのファラオがいて、その娘スコタが生んだとされるスペイン王ミレがアイルランド民族の祖なのだとそうだ。

この創元社から出ているアルケミスト双書は神秘的なテーマが多いのですが、ケルトに関しては2冊はあり、そうした点でも、何かがあるのがケルトということになるのかもしれません。

■過去記事:「ケルト紋様の幾何学」(アダム・テットロウ著)

■オンライン講座:「ケルト、癒しと再生の森」

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