古書店で見つけた、ケルト幻想に想いを馳せる・・・
GWは事情により行楽三昧というわけにはいきませんでした。なので近くをぶらっとしたことが多かったのですが、私の好きな古書店で月刊美術誌「芸術新潮」の1998年7月号がケルト特集(20年以上の前の月刊誌です)を組んでいるのを発見し、それを購入しました。というのもGWに「春のケルト市」なるものに行き、そこでアイルランド在住の公認ガイド山下直子さんのお話を聞いたこともあったので、ケルト・キーワードが浮上したと。このブログも、会場で購入したケルト音楽のCDを聴きながら書いています。
このケルト、ヨーロッパの古層を形成した文化。東欧、ドイツ、フランス、スペインまでと広がったケルトは、渦巻文様、文字は使わず、共通言を使いながらも、部族単位で暮らし、国家は形成しませんでした。しかし、紀元前1世紀にはローマ帝国に征服され、ケルト古来の言葉や文化は失われてしまい「幻の民」と呼ばれたのですが、ケルトの末裔がのアイルランドに残った。というのもブリテン島(英国)までローマ帝国の支配は及んだものの、その西の島であるアイルランドまでには届かなかったため。故に2000年の時を超えてケルトの名残を味わうことができるという。
このアイルランドの地には432年に聖パトリックがキリスト教を戦況に来て、以来、カトリックの信仰の地となった。この聖パトリックは強引な布教ではなく、その地の文化をうまく取り入れたといいます。私が好きなケルト十字と呼ばれるハイ・クロス。円環と十字架がドッキングし独特の装飾を持つシンボルには、理由を超えてひかれてしまいます。
そのアイルランドですが、直ぐに想起されるのが<妖精>、古代ケルトの神々が小さくなり地下の世界へ降りて行ったという。それが伝承文学として残っていった。このあたりもおそらくは、カトリックが地元文化を大切に楓号していった名残とも言えるのでしょうね。こうした民話は、日本で言えば柳田国男が残した「遠野物語」を想起させなくもない。どこかアイルランドは、巨石文化も残っており、日本と似ているような気がするのです。これは私の感覚ですが。
そのケルトは、もとはアミニズム、多神教の世界であり輪廻転生も信じていたというのですから、それもやっぱり似ているんじゃないかと。ケルトは、川や山、動物といた自然崇拝信仰であり、八百万の神。生命を産むということで女神信仰的な要素が強かったらしいのですが、父権的なキリスト教、自然崇拝的なケルト、上記のケルト十字にはそれが見事に表されているように思えます。そして忘れてはならないのが、世界で一番美しい本と言われる「ケルズの書」、聖書に渦巻文様、組み紐紋様が描かれたその本は実に神秘的なのです。
ただ、こうやって書いているのですが、実は、アイルランドは一度も行ったことがないという・・・(笑)、憧れの地の一つなんです。ということで51コラボでは、そのケルトに焦点をあてた「ケルト、癒しと再生の森」なるオンライン講座を開設中です。もしよろしければご覧になって見てください。山下直子さんも話しています。
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