牛とジャガイモと移民のアイルランド
アイルランド公認ガイドの山下直子さんの講演会がありました。私は「ザ・シークレット・オブ・ケルト」というオンライン配信講座の企画で、アイルランド在住の山下直子さんにケルト話をお願いしたのですが、便利な世の中になったのか、一度もお会いすることもなくネットでそれをお願いしたのでした。
コロナもあり2年ぶりの帰国になったそうで、このGW期間中に開催される「春のケルト市」というイベントに出るということを彼女のブログから知ったので、リアルでお会いしてご挨拶したく出かけたわけです。
山下直子さんの話のテーマは「牛とジャガイモとアイルランド移民」、ガイドということもありとてもわかりやすく、へーっ、そうなんだというツボを押さえた直子節ともいいたくなる会話術をされるので、聞いていても心地よいのです。
山下さんによるとアイルランドは牛肉の消費量がとても多いようで、ひとり年間消費量の世界平均6.5キロに対してアイルランドは19キロ。そもそもアイルランドの島の人口が500万人に対して牛が700万頭いるというのだから、それだけでも伺いしれるというもの。
さらに牛乳の消費も多く、ひとり年間142リットルの消費で、ヨーロッパで一番らしい。貧しい時代、不衛生な水の変わりに牛乳を飲んでいたという歴史の名残のようなのです。面白いですね~。
そしてジャガイモ。中南米から入ってきたそうですが、元はジャガイモの花が観賞用で、あのマリー・アントワネットもジャガイモの花を持ってポーズを取ったとか。同じようにひとり年間消費量を見ていくと85キロあり、世界平均の約2.5倍。いかに食べているかがわかるのですが、それも貧しい時代に年貢に該当しなかったので、という背景があると。
そこに1845年から4年間、ジャガイモ飢饉があり、人口の20%がそれにより餓死し、多くが他の国へと移民していったそうです。そう言えば、有名な映画であり小説でもある「風と共に去りぬ」もアイルランド系移民の話で、そこに出てくるタラの丘というのは、アイルランドに実際にあるタラの丘を意味しているのです。
知らなかったのですが、あのビートルズの3人がアイルランド系であり、ケネディもアイルランド系、いやそもそもが、アメリカの大統領の半分くらいが何らかのアイルランドの血が入っているというのです。アイルランドって北海道くらいの島になるんですが、苦労の歴史が有能な人材を生み出していくんでしょうか?
その山下直子さんがケルトについて語ったオンライン講座が下記です。こちらも面白いので、時間があればぜひ、ご覧になってみてください。
オンライン講座「ケルト、癒しと再生の森へ」(←クリック)
山下直子さんがケルト魅力に語った映像です