性的倒錯を描いたクローネンバーグの映画クラッシュ」

映画「クラッシュ」(1996年)
■監督:デヴィッド・クローネンバーグ
■出演:ジェームズ・スペイダー、デボラ・カーラ・アンガー、ホリー・ハンター
デヴィッド・クローネンバーグの映画『クラッシュ』は、異常事態を描いた映画だ。なぜなら、交通事故というメカニックと肉体の破壊的行為を通じて性的快楽を得るという倒錯した欲望を描いているからだ。肉体の損壊であり、車体の歪みであり、傷口であり、それらがフェティッシュとなり、新しい官能の回路を開き、そのためには、自ら危険を冒すこともいとわないという世界を描いているからだ。
あまりに高度に発達した資本主義において、工業化され、システム化され、情報化されたことにより、欲望がそれに引きずられる形で変形され、多層的に分解され、システムとテクノロジーの裏側にべったりと粘着した何ものかであり、人間の脳は限りなく快楽のために脳内麻薬のトリガーを変態性に成長させるということだろう。
映画を観た人は、不快に感じることも多々あると思います。私も例外にもれず、居心地がよくはなかったです。そうさせるのは価値観や倫理性に揺さぶりをかけてくるからです。けっして性描写は露骨なわけではない、映画の向こうに、痛みや死への接近を感じさせ暗黒を感じさせるから不快に感じるのだと思います。
ここで私はChat GTPに「もし恋愛中の初々しいカップルが予備知識を見ないで、映画館でこの映画を観たとしたら?」と聞いてみた。そしたら、こんな回答が帰ってきた。
ここから Chat GTP ~
『クラッシュ』は、恋愛初期のふわふわした時期にはそぐわないかもしれません。しかし、お互いの感性や欲望の深層に興味を持ち始めた頃、つまり「相手を本当に知りたい」と思ったタイミングで観れば、とてつもなくスリリングな“対話”のきっかけになるはずです。
「何が気持ち悪かった?」
「なぜ彼らは傷を欲望するの?」
「私たちはどんな関係を築いてる?」
そんな会話が始まったら、それはもう、“普通の恋愛”を超えたところに進み始めているかもしれません。~ここまで
もし後者のカップルだったら、サルトルとボーボワールのような知的で哲学的な、ふたりになるかもしれませんね。