ドイツでヒットした有名な童話が原作の魔女の映画

映画「小さい魔女とワルプルギスの夜」(2018年)

■製作年:2018年
■監督:マイク・シェーラー
■出演:カロリーネ・ヘルフルト、ズザンネ・フォン・ボルソディ、アクセル・プラール、他

原作は児童文学、童話ということらしい。オトフリート・プロイスラーというドイツの世界的児童文学「小さな魔女」を実写化し、ドイツで大ヒットした映画ということです。

森の奥で相棒のカラスのアブラクサスと暮らす半人前の小さい魔女の夢は、魔女たちのお祭りである「ワルプルギスの夜」に招待されること。しかし、年齢は127歳。つまり魔女は相当な長生きなのです。一人前のワルプルギスの夜に参加する魔女たちはもっと歳をとっている。

不死ということに加え、魔女たちは呪文を唱えることで魔法を使い、自然を自在に操るので、いわゆる妖怪なんだけど、普通に生活しているので超自然的な存在でがあるけれど人間に近い存在と理解すればいいのでしょうか?

どうしてもワルプルギスの夜に参加したい小さい魔女は、大きい魔女から、よい魔女になるためのテストを受けることになります。ここで、魔女にとってよいこととは人間にとって悪いこと、魔女にとって悪いことは人間にとってよいことという価値観の対立軸がでてきます。

人間に悪さをするということにおいて、魔女は忌むべき存在なのかもしれませんが、自然と共に共生しながら生きている魔女は逆に、進歩という名のもとに自然破壊を繰り返す人間は魔女にとって忌むべき存在なのかもしれません。

特殊メイクとしていずれの魔女の鼻は高くカギ鼻となっています。この典型的な魔女の造形は、実はカギ鼻が多いユダヤ人を差別することから由来しているということも忘れてい行けないでしょう。

ワルプルギスの夜祭(Walpurgis Night)

最も有名なサバトの一つで、5月1日の前夜に儀式が行われる。ドイツにおける研究では特に重要視されている。奇妙なことに、魔術やドイツに関連があるにもかかわらず、この名称は、イギリスのキリスト教の聖者ウォルバーガからとったものである。聖ウォルバーガは8世紀にウェセックスで生まれ、兄とともにドイツに渡ってキリスト教の伝道に従事したが、8世紀末に当地で歿した。

サバト(Sabbat)

4年に一度行われる魔女団の大集会のこと。・・・・・・この大集会は11月1日、2月1日、5月1日、8月1日のそれぞれの前夜に行われる。年4回のこれらの日が、古代ケルトの四大祭りであるSamain,Inbolc,Beltine,Lugnasadとぴったり合致しているのが興味深い。サバトもエスバット同様に真夜中から真夜中から夜明けにかけてとりおこなわれるが、これは、時を昼中心でなく、夜で数えるケルト的背景による事からきている。

(以上、「不思議オカルトブック」バーナード・W・マーチン(たま出版)から引用

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