まるで神話を見ているような「アバター」

映画「アバター」(2009年)
映画「アバター ウェイ・オブ・ウォーター」(2022年)
映画「アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ(2025年)

■監督ジェームズ・キャメロン
■出演:サム・ワーシントン。ゾーイ・サルダナ、シガニー・ウィーバー、他

圧倒的な興行成績を残してきているジェームズ・キャメロンの「アバター」は、2009年に公開以来、約10年に1作品の割合で、これまでに「アバター」「アバター ウェイ・オブ・ウォーター」「アバター ファイヤー・アンド・アッシュ」の3作品が公開されてきています。CG映像による圧倒的な映像表現と人間とは違う世界の住人を描いているけどその世界観、宇宙観には共鳴できるものを設定している物語で、見る者の満足度が高い作品です。私も「アバター」の世界にぐいぐいと引き込まれた一人です。

「アバター」は映像的にはエンタテイメントとして最高のものを提示しながら、惑星パンドラに住む先住民ナヴィを、人間が侵略する物語をベースにして、個人的恨みを晴らそうとする話まで、それらが複雑に絡み合いなら見せていく映画。「アバター」は人間が圧倒的な破壊力を持った武器で攻め込むのに対し、人間から見れば原始的武器に見える弓矢で戦うナヴィを見ていると、かつて帝国主義によって先住民たちを植民地として征服、拡大していった西洋がやってきたことを、形を変えて見せているように見える。あきらかにそこにはポストコロニアリズムの思想が流れている。

そしてナヴィたちはアニミズム的な、汎神論的宇宙観を持ち、自然との共生をして生活している、こうしたことはかつて西洋が遅れた文化としてアフリカやアジア、アメリカの先住民を下に見てやってきたことを、そうではないんだとばかり、最高のCG技術を美しい自然を背景に見せて、自然との共生の中に真実はあるんだと描いている。映画で描かれるエイワという神のような存在は生命同士を結びつける魂のネットワークのようなもの。そこには肉体と魂とは?という投げかけもある。そもそもアバターという存在自身が、肉体に魂を宿らせているわけだから、肉体と魂は分離しているものということを表している。そして物語は、英雄譚になっていてまるで神話の世界を見ているかのようだ。たぶんこの神話を見ているような感じが、私は心地いいのかもしれない。

ジェームズ・キャメロンは「タイタニック」といい、映画史に残るような、はずれない大作作品を生み出す稀有な映画監督といっていい。クオリッチを演じた俳優へのインタビュー記事でシェイクスピアの名前が出ていたのですが、キャメロンはまさに現代のシェイクスピアと言ってもいいのかもしれない。

ところで、「アバター」に出てくるキャラクターの中で、私が好きなのはネイティリです。女性として、母としての力強さをもち、弓矢の名人。かっこいい。怒りを表すときは牙をむきだして威嚇する。そんな野生の部分をあからさまにむき出しところが、自然体で、いいんだよね。「アバター」は全5作というのだから、どんな展開になっていくのか楽しみですね。

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