これは悪ふざけのなせる技?『マチェーテ』『マチェーテ・キルズ』

映画「マチューテ」(2010年)

■監督:ロバート・ロドリゲス
■出演・ダニー・トレホ、ミシェル・ロドリゲス、ジェシカ・アルバ、ロバート・デ・ニーロ、他

映画「マチューテ・キルズ」(2013年)

■監督:ロバート・ロドリゲス
■出演・ダニー・トレホ、ミシェル・ロドリゲス、メル・ギブソン、レディ・ガガ、他

ロバート・ロドリゲス監督の2010年の「マチェーテ」、2013年の「マチューテ・キルズ」は、なんといっても主役のダニー・トレホの存在が際立っている。一度見たら忘れられない強烈な存在感を持つダニー・トレホ。ちょっとやそっとでは、倒れそうにもないにじみ出てくる強そうなオーラ。実人生でも刑務所生活が長く、役者になっても出る映画のほとんどがやられる役ばかり、そんあ筋金入りのトレホが主役をはるのだから、映像自体に力がある。

「マチューテ」は、ロバート・ロドリゲスが監督した「プラネット・テラー inグラインドハウス」において流された架空の映画の予告編に最初に登場している。それが3年後に実在の映画としてスクリーンに流れることになる。誇張された暴力、血しぶき、アクション、そしてダニー・トレホという存在そのものがもつ刻印された顔の歴史。キャラが立てしょうがない。そこにジェシカ・アルバがからみ、彼女なんてキュートな女性だろうと、私は一気にハートを持って行かれた。

映画は、アメリカとメキシコの国境。メキシコからの移民の問題を描いている。2作目の「マチューテ・キルズ」も、大統領まで登場させ、やはり移民に関わる麻薬がらみのことをよりハチャメチャに描いている。見ているとメキシコ愛を感じるも、ここまでメキシコを犯罪の巣窟のように描くと、危険な国というイメージがついてしまうと、見ていて心配になる。1作目でキュートな捜査官を演じたジェシカ・アルバは2作目の冒頭に早々と姿を消してしまいう。かわりに変幻自在の殺し屋にあのレディ・ガガが演じている。

そして1作目ではまだ残っていた社会的問題は、2作目では一気に吹き飛ばされる。強烈なキャラクターたちが出てきて、ありえない悪ふざけが画面を埋め尽くす。さらにはお色気過剰のお姉さんたちもてんこ盛りで、画面は、ある意味、豊かであるも、はっちゃけている、こうなると私はゲップがでてしまい、「マチューテ」だけで充分と感じてしまうのだ。

ロバート・ロドリゲスについて映画評論の高橋ヨシキ氏は、「瞬間的なかっこよさ」の快楽に耽溺する一歩で、その「かっこよさ」に深みと奥深さを与えるはずのドラマをまるで構築しない/できない」と書いているが、なるほどなと納得する部分も。ただ彼の瞬間的なかっこよさのセンスが、不思議な引力を持っていて、また見たくなってしまうのだ。

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