チベット聖地巡礼Ⅱ-② チベット密教の濃い寺へ

2019年11月、チベット聖地巡礼の旅、その2日目です。

●朝一番から、ラサで一番当たるというチベット占星術師クシュ・プンツォさんの占い体験。占星術師と言いながらお坊さん。チベット密教は星の動きとも密接に関連し合っています。占いは朝しかできないということで、朝食の時間を利用してホテルに来てもらい、参加者の皆さんの相談を受けました。

●ポタラ宮のはす向かいのチャクポリ(薬王山)の裏手には、大小合わせて1,000体あるという磨崖仏がそこかしこに彫り込まれています。その周辺を散策し、参加者皆で 磨崖仏 の前で五体投地をしました。この五体投地ですが、実際にやってみると気持ちがいいんです。大地に身を投げ出すということは、それをやり続けるのは修行で苦しいのですが、体験としてはとても気持ちがいい。

●現世利益の女神のお寺タプチェラモ寺へ向かいました。ここはチベットの古来の宗教ボン教の影響を受けているとか。奉納としてお酒を捧げるので、寺内はアルコールの匂いがプンプンします。そしてそこにある仏像は、異形の形をした仏や男女が抱き合った父母仏などがあり、禍々しいというかディープなチベット密教の世界が広がっています。アルコール臭とともに聖俗が混然一体化したような一種の毒々さもあるのです。お寺の中は撮影禁止なので、チベット密教の世界の濃いお寺というのが紹介できないのが残念です。

●日本人の僧侶が学んだことで知られる世界遺産のセラ寺へ。1419年にゲルク派の開祖ツォンカパの弟子が開いた寺。ゲルク派とはダライ・ラマの系譜につながるチベット仏教の本流となっている流れの宗派です。このセラ寺には20世紀初頭に、河口慧海と多田等観という2人の日本人僧侶が滞在し学んだそうです。今とは違い交通の便もなくかなり厳しい場所であるにもかかわらず、このような場所で日本人仏教僧侶が学んだということは、ある意味で驚異的な気もします。

●そして、ホテルでタンカの販売会。これがまた急遽スペシェルな展開となり、ジョカン寺でタンカ開眼の儀式をしてもらえることになりました。普通はタンカ屋さんで購入して終わりなのに、チベット仏教の総本山のお寺で開眼してくれるなんて予定にはなかったことなので、ちょっとばかり震えました。さらに来てくれたタンカの絵師はチベットのトップクラスの先生。ラサで売られているタンカはその先生の弟子のが多いそうです。奥様はチベットの有名な女優さんとか。先生のタンカは素晴らしい。でも、とても購入できる金額ではなかったけど・・・。

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