チベットのキリスト教徒
栗田哲男写真展「チベット、十字架に祈る」
チベットにキリスト教徒がいる村があり、その写真展をやっているとwebニュースで見かけ、それは驚き!とさっそく写真展に行ってみました。写真家の栗田哲男さんの作品展「チベット、十字架に祈る」(キヤノンギャラリー銀座)です。
私は、一昨年、昨年とチベット旅行をしましたが、そこは仏教の中でも密教の信仰があり、どうしてもキリスト教とのイメージがつながりませんでした。チベットの人たちは仏教信仰で輪廻転生を信じ、来世でよりよい人生を送れるようにと願い五体投地でラサをめがけて祈りの旅をする。そんな生活に根づいた場所でキリスト教はイメージができません。
写真の被写体となった彼らは、中国南部、雲南省の迪慶(デチェン)。そこの茨中村は、人口1300人ほどの集落で。7~8割がカトリックのキリスト教徒であるそうだ。説明によると、19世紀にフランス人宣教師が、この一帯へ布教にやってきたことが始まりなのだそうだ。実際に展示された写真を見ると、マリア像があり、神父さんがいる。建物の内部は確かにキリスト教的な雰囲気もある。
驚きはクリスマスもあり、皆でケーキを食べる。(ケーキは離れた場所から調達するようです)キリスト教徒と仏教徒は共存していて、仏教徒はケーキを食べ、キリスト教徒と輪になって踊るという。そんな写真もありました。(お互いを認め合い共存共栄しているのが、素晴らしいです)
その昔、宗教学者の中沢新一氏が「チベットのモーツァルト」という本で一躍有名になりましたが、そこにはチベットとモーツアルトという文字の組み合わせに違和感がありインパクトを受けた記憶がありますが、チベットと十字架も同じくらい違和感によるインパクトを感じました。しかしこちらは現実のいことなので、さらに興味深いです。(チベット=マンダラのイメージがありますから)
作品展は写真撮影OKとのことでしたので、会場を撮らせていただきました。カメラマンの栗田さんがいらっしゃったので、私の持っているイメージを打ち壊すような写真を見て、多少気分がハイになり、帰りがけには図々しくも、会場にいた栗田さんのお写真まで撮ってしまいました。 お話を聞くと、栗田さんは「辺境写真家」としてアジアのいろいろな場所に行っているようです。会場にあったインドの写真もまた強烈なイメージで、個人的には惹かれるものがありました。
◆栗田哲男写真展「チベット、十字架に祈る」
キヤノンギャラリー銀座 2020年10月29日(木)~11月4日(水) ※日・祝日は休館
キヤノンギャラリー大阪 2020年12月 3日(木)~12月9日(水) ※日曜日は休館
◆栗田哲男さんHP (←クリック)