2024年8月9日 / 最終更新日 : 2024年8月18日 服部 書物の森 自己とは何か?安部公房「他人の顔」 安部公房「他人の顔」 安部公房の小説「他人の顔」は、事故で薬品を浴びた結果、顔にひどいケロイドを負い、元の顔を失ってしまった人物が主人公の話です。顔を失ったことで、主人公は自分のアイデンティティも失ってしまい、自分とは誰 […]
2024年7月14日 / 最終更新日 : 2024年7月14日 服部 映画 SF小説の金字塔『デューン 砂の惑星』雑感 『デューン 砂の惑星』は、フランク・ハーバートによるSF小説。文庫本の解説を書いている水鏡子氏によると、アメリカのSF情報誌「ローカス」誌が主催するファンや読者による投票で選ばれるローカス賞、12年ごとに選ばれる「オール […]
2024年3月1日 / 最終更新日 : 2024年3月1日 服部 書物の森 不確かな現実の中で・・・フィリップ・K・ディックの哲学的SF世界 フィリップ・K・ディックは、アメリカのSF作家であり、現実と幻想の境界、人間の認識、現実の不安定性などをテーマにした作品で知られています。ディックは1928年にイリノイ州シカゴで生まれ、カリフォルニア州バークレーで育ちま […]
2024年2月28日 / 最終更新日 : 2024年2月28日 服部 書物の森 生と死、科学の暴走「フランケンシュタイン」でメアリー・シェリーが先取りした感性 約200年前に、「フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス」という書物が、イギリスの10代の女性の手によって書かれました。有名な「フランケンシュタイン」の誕生です。この死者を蘇らせるという奇抜な小説は、発表当時は […]
2023年12月25日 / 最終更新日 : 2023年12月25日 服部 書物の森 澁澤龍彦の「エロスの解剖」は、猥雑性を無化する・・・ 澁澤龍彦が「エロスの解剖」と題してエロティックな世界のことを書いても不思議といやらしさがないのは、そこに感覚に関する表現はあっても、情動に関する記載がなされていないからだろう。それと澁澤流とも言うべき、延々と列記されたエ […]
2023年12月21日 / 最終更新日 : 2023年12月21日 服部 書物の森 幻想絵画にひかれる理由-澁澤龍彦「幻想の画廊から」 『幻想の画廊から』 澁澤龍彦(河出文庫) 澁澤龍彦なる人物、私的には無視し得ない知の巨人なのです。澁澤は、様々なアンダーグラウンド、異端的なものを紹介し続け、多くの芸術家達に影響を与えてきたわけですが、私も、芸術家でもな […]
2023年12月20日 / 最終更新日 : 2023年12月20日 服部 書物の森 アンドレギュヌスの幻想:澁澤龍彦「夢の宇宙誌」 『夢の宇宙誌』は、60年代の澁澤龍彦の著作の中で代表的な作品と言われているだけあり、おもちゃ箱のような面白さがあります。それこそ、私の目からすると、本自体がひとつのアート作品として存在しているような印象を与えます。私がそ […]
2023年12月18日 / 最終更新日 : 2023年12月18日 服部 映画 澁澤さんの映画論「スクリーンの夢魔」 希代の知識人であった澁澤龍彦。その彼が映画について書いた文章をまとめた本が、『スクリーンの夢魔』。そこに言及されている映画は、当然、執筆した時代背景があり、古い作品が多い。なので読み手側のイマジネーションを掻き立てながら […]
2023年12月17日 / 最終更新日 : 2023年12月17日 服部 書物の森 思いっきり作家の世界で構築されたドラコニアという迷宮 戦後・知の奇才として独特の位置にいる澁澤龍彦の著書『ドラコニア 綺譚集』 、この本のタイトルにある『ドラコニア』とは、“航海者マゼランがパタゴネス(=巨人族)を棲んでいる土地をパタゴニアと称したように、自分で勝手に龍彦の […]
2023年12月15日 / 最終更新日 : 2023年12月15日 服部 書物の森 澁澤龍彦とメタモルフォーシスと創作の秘密 “まだ文学などに血道をあげ出す以前の、ごく幼い少年時代から、私には、超自然のお伽話や夢幻的な物語にいたく心を惹かれる傾向があったが、とりわけメタモルフォーシス(変身)を主題とした物語に対しては、それを読むたびに、一種の生 […]