2024年9月3日 / 最終更新日 : 2024年9月3日 服部 書物の森 安部公房と2人の女性 安部公房の名前は、40年以上前の、学生時代から目にしてたが、彼の小説は読んだことがなかった。ここ最近、読み始めたこともあり、図書館で関連書物がないかと調べていたら、娘で医者だった安部ねりさんによる「安部公房伝」と、愛人だ […]
2024年8月16日 / 最終更新日 : 2024年8月16日 服部 書物の森 壁とどう向き合うか安部公房の「砂の女」は問いかける 安部公房「砂の女」 安部公房の小説「砂の女」は、私が生まれた翌年の1962年に発表された作品で、日本文学の代表作の一つと言われています。「砂の女」の主人公は、昆虫採集を趣味にしている無名の中学校教師。彼は、夏季休暇、砂丘 […]
2024年8月14日 / 最終更新日 : 2024年8月14日 服部 書物の森 難解でいいんだ、安部公房の「箱男」 安部公房「箱男」 安部公房の小説『箱男』は、難しかった!同じ安部公房を読んだ時、自分自身の読解力が落ちたのではないか?と不安になりましたが、この「箱男」はそれ以上の難解さ。ダンボール箱をかぶり、覗き窓から外を見つめて都市 […]
2024年8月11日 / 最終更新日 : 2024年8月11日 服部 書物の森 都市の迷宮、心の迷宮。安部公房の「燃えつきた地図」 安部公房「燃えつきた地図」 安部公房の『燃えつきた地図』を読んだ。この小説は安部公房の失踪三部作と言われているらしい。物語は、興信所の探偵である「ぼく」が、失踪したサラリーマンの捜索を依頼されるところから始まります。 依 […]
2024年8月9日 / 最終更新日 : 2024年8月18日 服部 書物の森 自己とは何か?安部公房「他人の顔」 安部公房「他人の顔」 安部公房の小説「他人の顔」は、事故で薬品を浴びた結果、顔にひどいケロイドを負い、元の顔を失ってしまった人物が主人公の話です。顔を失ったことで、主人公は自分のアイデンティティも失ってしまい、自分とは誰 […]
2024年7月14日 / 最終更新日 : 2024年7月14日 服部 映画 SF小説の金字塔『デューン 砂の惑星』雑感 『デューン 砂の惑星』は、フランク・ハーバートによるSF小説。文庫本の解説を書いている水鏡子氏によると、アメリカのSF情報誌「ローカス」誌が主催するファンや読者による投票で選ばれるローカス賞、12年ごとに選ばれる「オール […]
2024年3月1日 / 最終更新日 : 2024年3月1日 服部 書物の森 不確かな現実の中で・・・フィリップ・K・ディックの哲学的SF世界 フィリップ・K・ディックは、アメリカのSF作家であり、現実と幻想の境界、人間の認識、現実の不安定性などをテーマにした作品で知られています。ディックは1928年にイリノイ州シカゴで生まれ、カリフォルニア州バークレーで育ちま […]
2024年2月28日 / 最終更新日 : 2024年2月28日 服部 書物の森 生と死、科学の暴走「フランケンシュタイン」でメアリー・シェリーが先取りした感性 約200年前に、「フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス」という書物が、イギリスの10代の女性の手によって書かれました。有名な「フランケンシュタイン」の誕生です。この死者を蘇らせるという奇抜な小説は、発表当時は […]
2023年12月25日 / 最終更新日 : 2023年12月25日 服部 書物の森 澁澤龍彦の「エロスの解剖」は、猥雑性を無化する・・・ 澁澤龍彦が「エロスの解剖」と題してエロティックな世界のことを書いても不思議といやらしさがないのは、そこに感覚に関する表現はあっても、情動に関する記載がなされていないからだろう。それと澁澤流とも言うべき、延々と列記されたエ […]
2023年12月21日 / 最終更新日 : 2023年12月21日 服部 書物の森 幻想絵画にひかれる理由-澁澤龍彦「幻想の画廊から」 『幻想の画廊から』 澁澤龍彦(河出文庫) 澁澤龍彦なる人物、私的には無視し得ない知の巨人なのです。澁澤は、様々なアンダーグラウンド、異端的なものを紹介し続け、多くの芸術家達に影響を与えてきたわけですが、私も、芸術家でもな […]