フランス聖地巡礼⑦ レンヌ・ル・シャトーとマグダラのマリアの秘密

■不思議な場所レンヌ・ル・シャトー

2018年6月フランスの旅。ダン・ブラウンの「ダ・ヴィンチ・コード」がきっかけで一躍有名になった場所、 レンヌ・ル・シャトー に行きました。

レンヌ・ル・シャトーは小高い丘にあり、上からの景色も美しい
マグダラの塔
マグダラのマリアの像
祭壇の下の絵はマグダラのマリア
この像もマグダラのマリア

1800年代後半にこの地の教会に赴任してきたソニエール神父が、ある石柱から、とてつもない財宝を発見したと言われています。そこには謎の4枚の文書が隠されており、うち2枚は地元一族の家系図でメロヴィング朝にまでつながるもの。残り2枚は暗号のようなものであったそうだ。そしてソニエール神父は暗号を解読したのか、すぐにパリに飛び、サン・シェルピス教会やノートルダム大聖堂の有力者らに会い、ルーブル美術館でニコラ・プッサンの 「アルカディアの牧童」 の複製画を購入しました。

そのプッサンの絵の複製が展示されていました。

以後、ソニエール神父の生活の羽振りがよくなっていき大金持ちに・・・。では、その財宝は一体なんだったのか? 「アルカディアの牧童」に秘められた謎とは?噂が噂を呼び、それはテンプル騎士団の財宝では?あるいは、それはカタリ派のものではないか?と憶測が飛ぶことになります。さらには聖杯伝説と相俟って、謎が謎を呼ぶことになります。しかし、未だにその謎は解けていません。

そして、ソニエール神父の財宝を見つけるべく、夜な夜なそれを掘り当てようとする輩が、このレンヌ・ル・シャトーを訪れ荒らしていきました。そうした痕跡もここにはありました。

このレンヌ・ル・シャトーは不思議なシンボルに彩られて、まさにワンダーランドな世界なのです。ダン・ブラウンは、レンヌ・ル・シャトー のマグダラのマリアの謎から始まり、イエス・キリストの血脈の話を展開させ、実はイエスとマグダラのマリアは結婚していて、聖杯とは彼女の子宮のこと。イエスには子供がいてその血脈が今も続いているという小説を書き、世界的なベストセラーとなったのでした。

さらに言えば、「ダ・ヴィンチ・コード」には種本があり、それはマイケル・ベイジェント、リチャード・リー&ヘンリー・リンカーン著「レンヌ=ル=シャトーの謎 イエスの血脈と聖杯伝説」という本があって、ここにダン・ブラウンが書いたキーワードが一杯でてきます。

あるいは、日本でもあの荒俣宏氏が、やはりレンヌ・ル・シャトーの謎に迫っていて「レックス・ムンディ」という小説を書いています。本の表紙には、教会の入口にある悪魔の像やプッサンの「アルカディアの牧童」の絵をコラージュした装丁となっています。 レンヌ・ル・シャトーは想像力をかきたてる場所なんだと思います。

ここにある教会を見ていると、並んでいる聖なる像や絵を見ても、あるいは、マグダラの塔もあり、間違いなくマグダラのマリアがとても大きな位置を締めているのが直感的にわかります。(ちなみにマグダラの塔に行く途中の会談は左右に11段あり、合わせると22段、これはマグダラのマリアの7月22日の祝祭日を表しているというし、その階段の欄干に配置されている松ぼっくりは、第3の眼の象徴である松果体を表便しているという)

教会の入口
悪魔の像は頭部が破壊されたままです
騎士が二人並んでいるのでテンプル騎士団の像
手前の石は古代ケルトの儀式に使ったものとか。
これが秘密を見つけた柱?
左右で22段ある階段、欄干には松ぼっくりの意匠

この地で暮らす現代のテンプル騎士団というドイツの方(ジョセフ・アンドレアス・ドブラーさん)の話を聞きましたが、このレンヌ・ル・シャトーの秘密は、マグダラのマリアがキーワードであるということでした。

街とも言えないような小高い丘の小さなスペースには、教会があるにも関わらずそうした関連の店ではなく、精神世界系の店があり、この場所の不思議さを象徴しているようでした。 レンヌ・ル・シャトー の展望台の床には秘密の符号があったり、昨日行った天地が逆転し強烈な磁場を発するというブガラッシュ山が見え、この辺り一体はフランスの中でも、とびきりワンダーな場所ではないか、というのが実感です。

レンヌ・ル・シャトー、ソニエール神父、テンプル騎士団、ブガラッシュ山、マグダラのマリア、カタリ派、、、。刺激的なキーワードに彩られたフランス南西部、魅力的です。

ところで、このフランスの旅を企画したのは武藤悦子さん、その友人のアニ・ウィリアムスさんというハーブ奏者が案内をしてくれたのですが、彼女の自宅でミニ演奏会もしてくれました。私は彼女のCDを2枚購入し、帰国後、時間をみては聴いています。その内面へと静かに向かっていく調べが美しく、自然と瞑想状態へと入っていくかのようです。

アニ・ウィリアム スさんとともに

CDの一つは、「MAGDALENE’S GIFT」(マグラダのマリアからのギフト)。イエスの処刑、復活に立ち会ったというマグダラのマリアとは、一体どんな女性だったのか?なぜ今、マグダラのマリアが注目されるのか?エルサレムから地中海を渡り、フランス南部に流れ着いたという伝説がある女神の秘密・・・。

そしてもう一つは、「CHILICE OF HOLY FIRE」(聖杯に灯る聖なる炎)。
副題が「Kbarallah Chants to Illuminate Our Way」(カバラの祈りは我々の道を照らす)、古代カバラの伝統からインスパイアを受けた音楽で、CDのジャケットには聖杯に火が灯り、陰陽合体の六芒星の中に阿字観のような記号があります。

アニ・ウィリアムスさん のCD

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