フランス聖地巡礼① バラ色の街と黒い聖母
■バラ色の街トゥールーズ
2018年6月、スピリチュアル界では長く活動し有名な武藤悦子さんのフランス・ツアーに参加。フランス・パリから乗り換えてのトゥールーズという街に来ています。トゥールーズはパステルで栄えた街で、建物が赤レンガで作られていて建物が赤系で、バラ色の街=ピンク・タウンと呼ばれているそうです。初フランス、とにかく街並みがとても美しいのに感動しました。
これらの建物はマリーアントワネットの時代よりも古くからあるというので、驚きです。
■黒い聖母
この街のノートルダム・ドゥ・ラ・ドラード教会には黒い聖母(ブラックマドンナ)があります。教会は修復工事中で、その全貌を味わうことはできませんでしたが、地場のパワーというのがとても強いのを、鈍感な私でも感じました。
そのノートルダム・ドゥ・ラ・ドラード教会ですが建物は教会らしくありません。ギリシャ・ローマ時代を想起させるような作りになっています。事実、キリスト教会の前はローマのテンプルだったということのようです。地場の強いところをローマもカトリックも選んだということなんですね。
この黒い聖母ですが、祭壇が工事中のため別の場所に移されていました。この聖母像ですが、奇跡を起こしたことがあると聞きました。それは、かつてトゥールーズの街が大火事になったときに、この黒い聖母を担いで街を回ったら、火事が収まったという伝説があるそうです。
ところで、なぜ、聖母マリアが黒いのかを、地元の教会のボランティアの方に聞きましたが、わからないそうです。この黒い聖母、フランスの南部には多く見られるということ。
フランスに行く飛行機の中で読んだ本が「黒い聖母と悪魔の謎」です。馬杉宗夫氏という美術系の大学の先生が書いた本で、講談社学術文庫なのでそれなりに権威があるのだと思います。
フランス南部の教会では黒い聖母を奉っている所があり、200体位は確認されているようです。
なぜ黒いのか?ろうそくの煙で煤けたとか、銀だったものが経年で黒くなったという説もあるようですが、馬杉氏によると、この地域にキリスト教が入ってくる前のドリュイド教=ドルイド教の信仰と結び付いたものという論旨を展開しています。
「この宗教は、ある種のアミニズムであり、聖なるものは自然の中に宿るとされた。彼らが崇拝していたのは自然の中に存在する聖樹、聖水、聖石などであった。そして、注目すべき点は、《黒い聖母》像があり、またその崇拝のあった地は、ドリュイド教時代にそれらの崇拝が行われていた場所と一致していることである。」(「黒い聖母と悪魔の謎」から引用)
馬杉氏によると、黒は大地を象徴するものであり、暗黒の地中から植物をはじめあらゆる生命を産み出す力を持つもの。根源であり、産み出す力、母性を象徴する色なのだと言います。黒い聖母はケルト(=ドルイド教)の地母神崇拝とキリスト教のマリア崇拝が同化したものということらしいのでが、、、。
何故、黒いのか?謎ですが面白いですね。もっと調べてみたい衝動に駆られます。他にも、エジプトのイシス信仰との関係性、マグダラのマリアとの関係性など、いろいろ想像をめぐらすことができると思います