ツタンカーメン王墓を発見した考古学者の情熱

漫画「ツタンカーメン」山岸涼子(潮漫画文庫)を読む

このところツタンカーメンづいています。山岸涼子さんの漫画「ツタンカーメン」 、こちらはツタンカーメン王そのものではなく、世紀の大発見をしたハーワード・カーターにスポットを当てた漫画です。

私は漫画の世界はよくわからないのですが、この「ツタンカーメン」は読みごたえも充分あるかなりの力作です。面白かったです。

読んでいると発掘したハーワード・カーターの情熱が伝わってくるようです。けっしてあきらめないこと、エジプトを愛していることが、歴史的な発見につながったことがよくわかります。

そして発掘にまつわる、スポンサーやエジプト側、メディアなどの利害関係者のドタバタも描かれていており大人の漫画だなとも。 まるで映画かドラマを見ているかのような豊穣な漫画空間でした。

史実をベースにしているので最低限押さえておくべきところは押さえ、そこに創作を加えていく。漫画なのでコマには絵を描いていかないといけない。もちろん吹き出しの会話も。漫画なので絵がうまいことは必須。

ある意味、どのカットから登場人物をはじめとした事物を描くかで心理状態も変わってくるし、小気味い展開でないと読むのを飽きてします。歴史的知識に加え、背景や文化、さらにはストーリーテラーとしての力量、演出など総合的な能力がないといけないので、漫画を創作するってホントに難しい大変な仕事だなとこの本を読んで思いました。

この作品を読んで、ツタンカーメンの王墓を発見したハーワード・カーターのロマンと偉大さをひしひしと感じました。

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