昔は自由に撮影していた?ナイル殺人事件

映画「ナイル殺人事件」(1978年)

■製作年:1978年
■監督:ジョン・ギラーミン
■出演:ピーター・ユスチノフ、ロイス・チャイルズ、ミア・ファーロー、他

言わずと知れたアガサ・クリスティーの「ナイルに死す」の映画化、私が高校生の頃に封切られた作品です。なんとなく話題になっていたような記憶があります。いろいろ私も映画を見ていますが、実は、アガサ・クリスティーが原作を映画化されたもの、これがはじめてなんです。小説も読んだことがなくて、超有名なミステリー作家なのにね。

莫大な遺産を相続した女性が、親友の恋人と結婚し、新婚旅行でナイル川を豪華客船で下っていた最中に、何者かに殺害された。かくして、偶然船に乗り合わせていた名探偵ポワロの登場となる・・・。

感想は、昔の映画なので今と比べると牧歌的な所もあるけど、面白かったです。仕事を終えてビール片手に気軽に見る感じが、適度に犯人誰だと無責任に推理しながら、ちょっとしたストレスの解消になる?

映画では、ピラミッドの頂上に登ったり、カルナック神殿の支柱から岩を落としたりと、世界遺産の今じゃできないシーンがあって、撮影された時代を感じさせます。遺跡の扱いが今とは違います。それだけマナーがよくなったということですね。それを考えると人類は進歩していのです。

エジプトの本格的な発掘が始まったのはナポレオンのエジプト遠征からというのですから。それまでは放置されてスフィンクスは頭だけ出して後は砂に埋もれていたのですから。このような人類遺産が長く放置され、やがてそれが世界遺産として大事に保存されるようになるのですから、そうしたことをみると人類の意識は進化していると思うのです。

そういえば書きながら思い出したのですが、私が高校生の頃、ローカルの電車ではたばこ吸っていた客がいました。私も大学生の時は場末の映画館で、古い映画をたばこを吹かしながら見ていました。というか、皆さん映画館ではたばこ吹かしながら見ていましたね。今ではありえない光景です。

ところで、「ナイル殺人事件」を見ているとまるでミステリーの教科書の用にも感じました。だから、今でも古さをあまり感じないで楽しむことができる。つまり、名作は時代を超えるということです。

ナイル川を客船で下る旅、私もエジプト・ツアーを企画したとき時貸し切りで運行したのですが、ナイル川から見る光景が忘れられないです。朝早く出て神殿などの遺跡を巡り、船に戻りゆっくりする。そして朝日や夕日、なんと美しい光景だったことか・・・。

Follow me!