ツタンカーメンの秘宝のなんと美しいこと!

先日、大城道則氏というエジプト考古学者の「ツタンカーメン」の本を読んでいたら、あらためてその魅力に気がつきました。そういえば、昨年(2019年)にNHKが8Kで撮影した3回に渡る「ツタンカーメンの秘宝」という番組を放送していて、それを録画したまま見ていなかったことを思い出しました。なので、1時間番組なので、1日一本の映像を晩酌しながら鑑賞(笑)、3日かけてその番組を見てみました。

ただただ、ツタンカーメンの秘宝の数々を美しく精密に撮影した映像が続き、思わず画面に向かって、うわーっと声が出るくらい、それらの数々は信じがたいほどにあまりにも美しかったのです。その美しさにお酒も美味しく感じます。

冒頭に2020年オープンの現在建設中の大博物館の紹介もされていたので、それとかけわせた番組だったのでしょう。日本もその建設に大きく寄与しているという博物館がオープンすれば、空前のエジプト・ブームが起こったかもしれないのです。残念にもコロナ禍により、それは数年先に先送りになってしまいました。

しかし、高精度のカメラで撮影されたツタンカーメンの秘宝の数々は、先ほども書いたように、あまりにも美しい。金がふんだんに惜しげもなく使われているのはもちろんのこと、ラピスラズリという深い青色がなんとも言えず美しいのです。このラピスラズリはエジプトでは採掘できず、遠くアフガニスタンから運ばれてきたというので、当時のエジプトがどれほどの栄華を誇り、交易をしていたかが分かろうというもの。

さらに、ツタンカーメンとアンケセナーメンの装飾が施された玉座や有翼スカラベ付き胸飾りなどなど目が点になるくらい精密で美的感覚にあふれて、ただただ美しいという一言しかない。

この時代、日本は縄文時代であったといいます。エジプトではこんな精緻なものを作る文化があったとは信じがたいこと。文明の中心は時代時代により場所を変えていくのですね。それを痛感します。

思うに当時は、電気がないので移動は馬、印刷技術はないのでパピルス、映像を撮影するような写真技術もありません。当然、電磁波を利用した今のスマホのような電信技術はありませんでした。それらが発達することにより、世界は平準化していったのではないかと思います。 インターネットによりエジプトの方たちとも繋がろうと思えば可能な時代になりました。

しかし、そうした平準化していく技術は後世のものであるにしろ、美術工芸の技術は逆に今よりも勝るものを持っていたように感じます。ツタンカーメンのこれら遺物を見ていると、現代で製作するならば一体どれだけの時間と人員を要するのだろう?と単純に疑問が湧いてきます。

さらにそうした副葬品は盗掘にあわないように、王家の谷(ここは岩肌むき出しの緑もない場所)を深く掘り返し、壁面には壁画を施し、副葬品を収納し、王のミイラをいくつもの棺に何重にも重ね、さらに幾重もの厨子でそのミイラを覆うわけですから・・・。ツタンカーメンの墓は、とても小さなスペースでしたが、他の王についてはその何倍もの広さがあります。

こうしたことをなし得るだけの、文化や技術がまずあり、さらんび王家の財力があって、それを支えることができるだけの国家経済がとても豊かであったということに他ならないのでしょう。

全3回にわたるNHKの番組でしたが、ツタンカーメンのあまりにも美しく素晴らしい宝の映像により、晩酌のお酒も優雅な気分でスイスイといただくことができたのでした。こうした映像はNHKしかできないのでもっと製作して欲しいなと思います。

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