巨匠の遺作、評価が高いようだけど私にはいまいち伝わらず・・・
映画「イノセント」(1976年)
■監督:ルキノ・ヴィスコンティ
■製作年:1976年
■出演:ジャンカルロ・ジャンニーニ、ラウラ・アントネッリ、ジェニファー・オニール、他
名匠ルキノ・ビスコンティ監督の遺作。題名の「イノセント」とは「無垢」という意味。しかしこの映画を見ていてどこが無垢なんだろう?と思わざる得ません。
主人公トゥリオは貴族であり基本優雅な生活をしている。結婚はしているものの伯爵夫人テレーザを愛人として交際している。その関係について妻のジュリアーナに相談するという・・・、あまり日本では考えられないこととも言えそうです。
で、トゥリオがテレーザと住むようになると、妻のジュリアーナは小説家のフィリッポと関係を結ぶ。トゥリオがテレーザと別れ、ジュリアーナの元に戻ると彼女が妊娠していることがわかる。ここはお互い様だという気がしなくもない。
激しい嫉妬にかられ独占欲の強いトゥリオは、生まれてきた赤ん坊を雪が降る寒い夜に屋外に放置してしまう・・・。彼は自分の感情を優先さるためにやってはいけないことをしてしまう。
自分の感情を優先し、思いのままに生きるトゥリオ、貴族なのだからか労働している節が見られない。もっぱらは自分の都合が優先される。さらに無神論者としてこの世のことは人がカタをつけるんだとも。
しかし最終的には、そんなに世の中甘くないと、にっちもさっちもいかなくなり、自らのこめかみにピストルを押しつけることになる。死でもってすべてを終わらせる結末。
ビスコンティゆえに、画面は美しい、場面場面の演出も素晴らしい。が、私には最後までイノセント=無垢の意味がわかりませんでした。
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