日本の港にある煌びやかな道教の廟
日本を代表する港、横浜と神戸には中華街があり、そこには道教の廟があります。道教は中国の民間信仰として、陰陽、五行、風水、気功、易・・・といった様々な東洋思想が集合しています。今回はそこを訪ねたことを書きます。機会があれば、横浜や神戸以外の廟も行って見たいものです。
神戸市・関帝廟
神戸には中華街があるので、たぶん道教の廟があるはずと調べてみると、ありました。関羽=関帝聖君を祀った関帝廟がありました。精神世界では龍が人気なのですが、道教の廟ではいたるところに龍の装飾があります。
横浜市・関帝廟
神戸と同じく関聖帝君=関羽(主神)を祀っています。関羽は実在した中国の武将で信義、忠勇の精神が世人の手本となり神格化されたようです。この廟は横浜在住の華僑が建てた歴史ある廟とのことです。
関聖帝君・・・人気NO.1「三国志」の英雄関羽の化身
「三国志」の英雄・関羽が神様として祀られたもの。忠誠義勇の武神として尊崇されるだけでなく、学問神、伏魔神、寺院の伽藍神として、また義を重んじ簿記法や算盤を発明した財神としても信仰される。このため関帝は商業の守護神とされている。この関帝信仰は、唐代に関羽の戦没地に近い湖北省当陽県玉泉寺境内で、関羽を伽藍神として祭祀したのが始まり。宋代では武神の代表格となり、明代では国家の重要祭祀の一つとみなされ、中央官僚祭施設として北京に白馬関羽廟が建立された。さらに万暦年間には三界伏魔大帝神威遠震天尊関聖帝君と加封され、清代には各県に一つの関羽廟が置かれた。漢人の居る所に関帝廟の無いところはないと言われるように、各地で祭祀された。(『「道教」の大事典』・新人物往来社を参考及び引用)
横浜市・媽祖廟
一方の、航海安全の守護神・媽祖=天上聖母を祀っているのがこちら。2006年に建てられたというので比較的新しい廟。媽祖は、航海安全の神様なので横浜らしいですね。
天妃(媽祖)・・・航海の守護神
航海の安全を守る女神。民間では「媽祖」「娘媽」と呼んで親しまれている。宋・元時代の伝説によると、媽祖は満一月まで泣き声もたてないので「黙娘」と呼ばれていた。少女の時から人の禍福を占い、医薬のことにも詳しかったが、29歳で昇天したという。
媽祖は死後千里眼と順風耳の使いとして、しばしば霊験を現し、神女や龍女と呼ばれ海難事故から守ったなど、さまざまな伝説によって航海神としての信仰が広まった。清代以後は「天后」「天上聖母」などの称号が与えられ、歴代王朝の尊崇を受けるようになった。 (『「道教」の大事典』・新人物往来社を参考及び引用)
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