映画「パリ、テキサス」が、あまりにも素晴らしくって!

映画「パリ、テキサス」(1984年)

■製作年:1984年
■監督:ヴィム・ヴェンダース
■出演:ハリー・ディーン・スタントン、ナスターシャ・キンスキー、ディーン・ストックウェル、他

私と「パリ、テキサス」の出会いと言ったらオーヴァーになりますが、生涯に何本も出会えないこ大傑作!という感動を得ました。3年ほど前の、とある休日の夜、さて何か映画でも見ようかなと思った時、「パリ、テキサス」という映画をふと思い立ちました。

ドイツの名匠ヴィム・ヴェンダースの代表作として知られるこの作品ですが、私は、今連続投稿しているも当時は、ほとんど彼の作品を見たことがなかったのでした。数か月前にCSで放送されていたものを何気に録画していたのでした。

お気楽に見ようと思っていたら、冒頭から映画に引き込まれました。そして、映像に圧倒され、心を揺さぶられ、役者の演技に感動し、音楽に胸が締め付けられ、監督の演出にうなされ、映画を見終えた時にこんな素晴らしい映画があったなんて!としばしどころか、夢に出てくるくらいの余韻に浸ったのでした。

冒頭の俯瞰映像は、キューブリックの「シャイニング」、カサべテスの「グロリア」と並ぶ素晴らしい映像、そしてそこに流れるライ・クーダーの音楽がさらに輪をかけて感情を揺さぶります。のっけからここまでグッとくるのは珍しい。(ライ・クーダーは「ブエナビスタ・ソシアル・クラブ」音楽担当!)

さらに、主人公たちの心の世界の荒野を映し出しような無味乾燥なアメリカの砂漠風景、しかし、その映像のひとつひとつが絵ハガキのように美しい。映像の美しさでここまで引き込まれる映画もまれです。

そして、映画のポスターなど使用された、振り返るナスターシャ・キンスキーが登場する場面、あまりにも鮮烈、印象的。この主人公の男女は最後まで直接に顔を合わせることはありませんでした。有名なマジック・ミラー越しの会話。刹那的な消費の場所である風俗のお店の片隅で、人生にとって忘れえぬ転換点について語る男女の切なさに胸が締め付けられました。

実際はあり得ないような、ある意味で大人のおとぎ話なのかもしれませんが、おとぎ話ゆえの心の真実のようなものを映し出している、そう捉ええることもできるかと思います。

共感?いやそうではない?様々な捉え方ができる映画の作り方も素晴らしいと思いました。答えは見る側が出すのです。

「パリ、テキサス」は、何気に見たにもかかわらす、私にとっては、本当に素晴らしい映画であると、映画という表現方法においてひとつの最高峰のレベルに達しているものと感じました。

見終えても「パリ、テキサス」の映像が頭から離れませんでした。20代であればそのようなこともあるのでしょうが、老年の域に達した私にとって、映画を見た後の、こんな感動的な映像体験は久しぶりです。シビレるような映画!

映画を見るという行為は、偶然によるひとつの出会いのようなもの。「パリ、テキサス」は、間違いなく私のベスト・ムービーのひとつとなりました。今から30年以上も前の、80年代に作られたこの映画に、いまこうして出会えたことになぜか感謝したい。私の中にひとつ感性の地図を描いてくれました。ということで「パリ、テキサス」のサントラ盤まで購入したのでした。ヴィム・ヴェンダースの過去作品のサントラを「 ブエナビスタ・ソシアル・クラブ 」加えて2枚買ったことになります。

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