君の瞳に恋してる、そして、シェリー
映画「ジャージー・ボーイズ」(2014年)
■製作年:2014年
■監督:クリント・イーストウッド
■出演:ジョン・ロイド・ヤング、エリック・バーゲン、ボブ・ゴーディオ、他
この映画の主人公はフォー・シーズンズという実在のボーカルグループで当時、ヒット曲を連発したグループらしい。らしいというのは、彼らが活躍したのは私が赤ん坊の頃なので、名前も初めて聞いたからです。でも彼らの曲を聞いて、あっ、この曲聞いたことがある、知っているよ!と映画を見ている途中でなってきたら俄然身近に感じて面白くなったのでした。
それらの曲は「シェリー」であり、「君の瞳に恋してる」なのでした。ホントに音楽の力とは不思議なものです。聞いたことのあるメロディが流れるだけで目の前の風景=スクリーンの印象が変わってしまうからです。
特にフランキー・ヴァリというボーカリストには驚きました。それは私が高校生の時に見て、今でも気にいっているミュージカル映画「グリース」のテーマ曲を歌っていたのが、彼だったからです。私はこのテーマ曲が好きでサントラを買い、何度も聴いていたのですが、ネットなどない時代なので、フランキー・ヴァリって人は他にどんな歌を歌っているんだろう?と思っていてもその手段がなく、私にとっては長がらく幻の歌手でした。
それがこの映画を見てフランキー・ヴァリとは、フォー・シーズンズというグループのボーカルで、ソロになり「君の瞳に恋してる」をヒットさせた歌手であるというのがわかったからです。なんだ、いつの間にかどこかで聞きなじんでいる曲じゃないか、となったから、私の小さな、それも忘却の彼方に沈んでいた疑問が思わぬ形で解消されたのです。
映画については、あらためてミュージカルの良さを認知させられました。感覚と感情を同時に刺激させ、その体験を記憶に残させるという点においても、それは音楽と映像の組み合わせの最も有効なものの一つだと。というのも、私はこの映画を見た後、サントラ盤を購入、この絵を描いているときも「ジャージ・ボーイズ」の音楽を流したりしています。
この映画の登場人物であるフォー・シーズンズですが、やんちゃなんですよね。優等生ではありません。売れない時は売れないなりの破天荒さで無茶しでかすし、売れれば売れて寄ってくる女性たちと乱れた関係にと、これが実在する人物の映画ですから。
栄光と挫折。
濃厚で凝縮された時間は、瞬間的には目まぐるしくても、振り返ればある意味では充実した時間。ただ、振り返ってそう思えるのは、後半生、それなりの幸せな時間を過ごしているということが条件なんだと思いますが・・・。
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