雨月物語と前衛日本画家のコラボが鮮烈

日本画家・玉村方久斗の「雨月物語絵巻」

今から20年ほど前、私は上田秋成の古典幻想文学「雨月物語」を読み、日本にこんな幻想的で心を打つ古典があるのかとインパクトを受けました。

大正・昭和期に活躍した前衛日本画家玉村方久斗という作家がいます。ここで、なぜ玉村方久斗なのかというと、彼が私の好きな日本文学の古典、上田秋成の「雨月物語」を題材ににした大作(絵巻物)を描いているからです。

文学からインスピレーションを受けて絵画や映画に、というように、他ジャンルの才能により、作家の頭の世界により構築されたそのテクストが立体化してくる。これが面白いんです。コラボした他ジャンルの秀逸な才能が、驚くような世界を作りあげる。これはスリリングなこと。ということで、私はそうしたコラボレーションが好きなんです。

江戸時代の幻想小説「雨月物語」、それを玉村方久斗が絵巻物としてコラボする。その世界はグロテスクと極彩美の特徴を持つものとして描き出す。
そのは玉村が着手したこの絵巻、実は8割がたできていたのが、関東大震災で灰となってしまう。しかし、その一年の歳月をかけてもう一度9巻仕立ての「雨月物語絵巻」を完成させている。関東大震災の地獄絵を体験した玉村は、執念で描いた雨月物語にどのような気持ちを注いだのだろう。玉村、30歳のときのこと。

「白峰」より崇徳院
「菊花の契」より
「青頭巾」より人喰い僧
「浅茅が宿」より宮木
「浅茅が宿」より勝四郎と妻・宮木

「雨月物語」から「浅茅が宿」を朗読した幻想劇(オンライン配信)

51コラボでは、「夢泡雪」と題した作曲家で尺八奏者の中村明一さんの演出・音楽で、女優の真行寺君枝さんの主演で、上田秋成の「雨月物語」の中から「浅茅が宿」と、夏目漱石の「夢十夜」から「第一夜」を立体的に構成した朗読劇を開催しました。それをオンライン配信しています。

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「夢泡雪」の紹介映像
女優・真行寺君枝さんと演出・音楽を担当した中村明一さん

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