ただただエッチがしたいだけの「シーバース 人喰い生物の島」

映画「シーバース 人喰い生物の島」(1975年)

■監督:デヴィッド・クローネンバーグ
■出演:ポール・ハンプトン、リン・ローリイ、他

デヴィッド・クローネンバーグの商業映画第一作の「シーバース 人喰い生物の島」は、のちに監督が作り出す身体変容や精神変容の要素をはらんだ作品とも言える。そしてその変容のきっかけが、医学やテクノロジーによるもだというのというものもこの映画に含まれている。

というのはこの映画では医学博士のゆがんだ思想が作り出した寄生虫が、人間の身体に入ると性的欲望の虜になってしまうということ、それによるパニックを描いている。寄生虫に浸食されたものたちは、まるでゾンビの如く不気味に群がって襲ってくるのだが、その目的はセックスなのだ。

寄生虫に浸食された看護婦の女性は言う「すべてはエロティックだ。すべてはセクシャルだ。2つの異なる生物がお互いを求め合うのは熱病と同じだと、死ぬ事さえもエロティシズだと。話す事もセクシャルだし、呼吸する事もセクシャル。存在する事自体がセクシャル。」

このモラルも無視して、ただただ、やりまくるセックス・ゾンビを描いた、ヘンテコな作品で、クローネンバーグ自身がまるで映画の作り方をわかっていなかったと語る彼の初期作品だが、皮肉にも映画カナダ映画史上でもっとも高い興行収益をあげたそうだ。

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