贅沢なおもちゃ箱をひっくり返したような「ザ・ザ・コルダのフェニキア計画」

映画「ザ・ザ・コルダのフェニキア計画」(2025年)

■監督:ウェス・アンダーソン
■出演:ベニチオ・デル・トロ、ミア・スレアプトン、マイケル・セラ、他

ウェス・アンダーソン監督は、不思議な魅力で人気があるようですね。アンダーソン特有のシンメトリー構図と絶妙な色彩配置は、心をひくようで、アンダーソンの映画の画面を連想させるような風景の写真集まででている。

「ザ・ザ・コルダのフェニキア計画」は、ベニチオ・デル・トロ演じるヨーロッパの大富豪ザ・ザ・コルダが架空の大独立国フェニキアを舞台に、彼は国家規模のインフラ整備計画「フェニキア計画」に乗り出すも、妨害により計画は暗礁に乗り上げ、赤字は膨らむ一方、暗殺未遂も数知れず。そこで、ザ・ザは疎遠だった娘で修道女のリーズルを遺産相続者の候補にえらび旅へと出る。そこで父と娘の関係を築き直し、家庭の幸せを見つけるという話なんですが、そこは全く深刻ではなくコメディとなっている。

というか、私正直な感想として、セリフが早すぎて、そのセリフも含みのあるものが、多くて、混乱したまま映画を観ていました。途中意識がなくなる部分もあったし、展開も早く、わちゃわちゃしっぱなしの映画でした。 アンダーソン監督の映像は美しいというか、かわいいというか、とても凝った画面で、なんと、ルノワールやマグリットといった名画を美術館から借り出して撮影するという徹底ぶりだったというから、その凝りようは圧巻なわけですが、私のような年齢の者には、デザイン性というか凝りに凝った映像だけでもゲップがでてしまい、展開も早いので、ついていくのがとても大変なわけで。おまけに俳優もトム・ハンクス、スカーレット・ヨハンソン、、マチュー・アマルリックなど、豪華だったので、まるで贅沢なおもちゃ箱をひっくりかえしたような映画でした。

Follow me!