行動しなければ後悔する?「臆病者」

映画「臆病者」(1955年)

■監督:サタジレット・レイ
■出演:ショウミットロ・チャタルジ、マドビ・ムカルジ、他

インド映画の巨匠としてしられるサタジレット・レイ監督の映画「臆病者」。1955年製作の映画で、70年も前の映画です、

脚本家である主人公が、ある地方の茶園を訪れた際、偶然かつて愛し合った女性と再会します。彼女はすでに結婚していて、夫と共に暮らしている。かつて彼が将来的不安などにによって結婚を決断できず、彼女を手放してしまった過去が明らかになる。再会の数時間の会話の中で、主人公の心の弱さが再び露呈し、結局なにも変えられないまま物語は終わります。

派手な展開のなく、短い作品ですが、人生教訓のようなものが、見え隠れする作品です。主人公は、自分の不安」に負け、決断を先送りしました。行動しないことがその後の後悔を生むかのように語っているように見えます。私はインド社会についてまったくの無知なのですが、そこには階級社会の問題も、もしかしたら、流れているかもしれません。彼も一生懸命生きているんだからさ・・・と思いたくなる部分もあります。

しかし、時間の流れは不可逆で、人生の大事な瞬間に「一歩」を踏み出さなければ、失われてしまった機会は二度と戻らない。あの時こうすればよかったという後悔は、誰にでもあること。一方の かつての恋人は過去を引きずらず、気丈に淡々と現実を生きているようでも、実は、睡眠薬というキーワードが出てきて、彼女も苦しんでいるんだと暗にわからせてくれます。「あなたに足りないのは、時間じゃない。別のものよ」と告げて去っていく彼女。いや~、ほんとに難しいし悲しいよね。

何が正しいとは言えないのですが、似たような経験は、大なり小なりあるように思います。人生いろいろあるとしか言いようがない。古い映画ですがインドでもこうした映画がつくられていたんですね。

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