希望を諦めない「ショーシャンクの空へ」

映画「ショーシャンクの空へ」(1994年)
■監督:フランク・ダラボン
■出演:ティム・ロビンス、モーガン・フリーマン、他
「ショーシャンクの空へ』は、絶望の淵で人間はいかに生きるべきか?、希望の灯を、いかにともし続けるか?あきらめないことの大切さといった普遍的なテーマを描いた作品として人気が高い映画ですね。
優秀な銀行員だったアンディは、妻殺しの無実の罪で終身刑を言い渡され、腐敗が支配するショーシャンク刑務所へ送られます。アンディは、過酷な環境下で、刑務所内の調達屋である古株の囚人レッドとの友情を育みます。アンディは元銀行員の知識を活かして所長の不正経理の手伝いをすることで他の囚人と比べて優遇を受ける一方、密かに、誰も想像しえない計画を実行に移すため、20年の刑務所生活を費やす。
そして映画は、アンディの見事すぎる逆転劇を用意していて、これが、大きなカタルシスとなり「ショーシャンクの空は」いい映画だとなります。そこにはどんな状況に置かれても希望を持つということ、どんなに悲惨で理不尽な仕打ちをうけてもあきらめないこと、といったことが根底に流れていているからです。
しかし一方で、カタルシスをもたらすために、映画はとてもわかりやすく、説明的に、そして、こんなこと現実にあるのか?といった見る者の怒りなどを引き起こす演出、構成になっているのも事実。現実には映画のようなことは、ありえないでしょう。そうした意味で、舞台は刑務所という場所に設定しながらもファンタジーロマンな映画であると言えます。
ある意味で、この映画は観客の感動ポイントの最大公約数的な部分を選択した作品と言えます。その意味で、「ショーシャンクの空に」の人気が高いのもよくわかります。物足りない部分もある作品なんですけどね。

