魂の自由を求めて「テルマ&ルイーズ」

映画「テルマ&ルイーズ」(1991年)

■監督:リドリー・スコット
■出演:スーザン・サランドン、ジーナ・デイビス、他

「テルマ&ルイーズ」、面白かった!1991年リドリー・スコット監督によるよる映画。女性の魂が解放されていくロードムービー。主婦テルマと、ダイナーで働くルイーズは、日常からの解放を味わうために束の間の旅に出る。だが旅先のバーでテルマが男に暴行されかけ、ルイーズが衝動的にその男を撃ってしまう。ここから気晴らしの旅行は、そうではなくなり、犯してしまった犯罪からの逃避行となるわけだが、リドリー・スコットは、そうは描きませんでした。

ここが映画の持つ力だなと思いました。実際は逃避行であっても、映画の展開は女性の意識が、魂が、本当の意味で解放されていく様子を、楽しく、スリリングで描いているからだ。物語の力、映画的嘘を巧みに使って、寓意的に描いている。悩み、もがきながらも、楽しく行動するテルマとルイーズ、2人女性に心動かされ共感しました。

女性2人のキャラクターもよく描かれていてリドリー・スコット監督は凄いね、と思いました。「エイリアン」「ブレードランナー」のようなSF映画の金字塔を作ると思ったら、こんな女性の魂の解放の映画を作るんだから。彼の多彩な映画作品群を見ていると、最強映像作家の一人だなと思えてくる。砂漠を疾走する映像も、音楽も素晴らしい! スーザン・サランドンとジーナ・デイビス 、最高だった。

ラスト、警察に囲まれた彼女はグランドキャニオンへ車を走らせ、そのまま空へと飛び込む、これもよかった。物理的には死なんだけど、象徴的なドラマとみたら、それは支配からの脱出、象徴的な自由への飛翔なんだと感じました。かっこよかったです。

正直、こんな素敵な映画がつくられていたなんて、私は知りませんでした。女性が見たら、スカッとするんじゃないでしょうか。

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