2つの「ベスト・キッド」
二つの「ベストキッド」という映画を見る機会がありました。この「ベストキッド」は 1984年に製作され公開されるや大ヒット、結局、3まで作られることになった。もうひとつの「ベストキッド」は、二匹目のドジョウを狙った2010年のリメイク作品。製作年代が違う映画を2本見て、感じる所がありました。
時代を反映してなのか、最初に公開されたのは、日系カラテの達人にアメリカの少年が空手を習うという話。この頃は、日本が世界経済を席巻しており、日本が強かった時代。
リメイク作品のほうは、アメリカの黒人少年が中国に移住することになり、そこでジャッキー・チェン演じるカンフーの達人にカンフーを習うという話で、いじめっ子は中国人。つまり中国が世界に台頭し力を持ち始めた時代で、日本から中国へ、空手からカンフーへと題材が移行しています。
映画の時間は新しい方が長く、ややだれる感じがしなくもありません。ただ、新しい作品の主役を演じた黒人少年のジェイデン・スミス 。最初は女の子?と思ったほど中性的な感じで、そのしなやかさは、私にはとても魅力的に映りました。
アメリカが東洋の知恵に学ぶ。空手なので、試合を始める場合は、礼をするですが、二つの映画、ともに、美しい所作の礼はありませんでした。美しい姿勢で頭を垂れる礼、西洋の傲慢さは謙虚な姿勢を持たねば、やがて自滅の道をたどることになるのかなとと思います。