紛争が絶えなかった激動の故郷への想いが溢れる映画

映画「 ベルファスト」(2021年)

■製作年:2021年
■監督:ケネス・ブラナー
■出演:ジュード・ヒル、カトリーナ・バルフ、ジェイミー・ドーナン、他

世界では紛争が耐えません。なぜ人はいがみ合い争うのでしょうか?このケネス・ブラナーの映画「ベルファスト」も、1960年代の北アイルランド紛争が舞台となっています。

プロテスタントとカトリックの反目。同じキリスト教なのに1998年の和平まで約3600人の犠牲者を出したと言います。映画では冒頭、いきなり9歳の少年の目の前で爆弾の爆発が起こります。これは子供にとっては衝撃的なこと。

日常的に潜む危機感。このケネス・ブラナーと思われる少年は私と、設定上、おそらく年齢的に近く、同じような時代を生きている。ただ高度成長期の日本と紛争只中の北アイルランドとはその環境が違うも、サンダーバードやチキ・チキ・バンバンなど、影響を受けた当時のテレビや映画などが同じということに驚きました。

結局、彼ら家族はイングランドへと移住してしまう。しかし、間違いなく地域社会で可愛がられ、多感な少年期を過ごした土地は、無意識的に大きな影響を与えているのだ。しかも紛争只中で暴動や爆発事件などあれば、さらに忘れがたい記憶となるに違いない。

少年の母親を演じたカトリーナ・バルフが、とてもいい感じで美しい母親、たくましい母親、やさしい母親を絶妙に演じていて好感を持ちました。そして、ケネス・ブラナー、当代一流の俳優のみならず演出面でも傑出した人物、アイルランドは多彩な人物を排出するんだよな。

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