虚無とサティとおしゃれなパリが印象的な60年代のモノクロ映画

映画「鬼火」(1963年)

■製作年:1963年
■監督:ルイ・マル
■出演:モーリス・ロネ、ベルナール・ノエル、ジャンヌ・モロー、他

巨匠ルイ・マル監督の映画。1963年製作の60年近く前の映画なんですが、モノクロームで映し出されるパリはなんとおしゃれなことか。公開当時、この映像に映し出されるパリを見て憧れた人がどれだけいたんだろうか、と想像もしたりしました。

話の方はかつて乱痴気騒ぎでこの世の春を謳歌していた青年がアルコール中毒で入院、断酒により立て直そうとするも、どうやら世間や昔の仲間に対して共感できず、虚しさを心に抱えてさ迷い歩く。相当ブイブイ言わせていた伝説の人物なようで、出会う昔の仲間は尊敬と暖かい眼差しを向けるも反発と虚無感の一撃。

それがエリック・サティの音楽と微妙に合っている。この反復の音楽はその昔、バブルの頃によく街角でも流れていたように想うも、最近は耳にすることがないように想うのは私だけ?

ただひたすら疲れ虚無を抱え最後は死を選ぶ男を美しいParisを背景に描いた映画でした。

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