老いたポワロを描いたアガサ・クリスティの「ABC殺人事件」

「ABC殺人事件」(2018年)

■制作年:2018年(全3話)
■脚本:サラ・フェルプス
■出演:ジョン・マルコヴィッチ、ルパート・グリント、アンドリュー・バカン、他

アガサ・クリスティー原作を映像化された作品を最近見ているのですが、肝心の原作を読んでいないので、映像化された時にどのように原作から脚色されているのかがわからないのですが、この2018年に英国BBCがドラマ化したという「ABC殺人事件」の案内には、こんなポワロ見たことない!?とうたっています。

このドラマでは、天才的な名探偵ポワロを老いた過去の人という描き方をしており、髭を読めたりしていますが、染料が落ちてきて逆に指摘されたりします。そして全体のトーンは暗く陰鬱な感じがします。そして、ABCの頭文字の名前の人間を連続して殺していく犯人に仕立て上げられる無罪の男を、かなり偏執的に描いており、観ているほうはこの男が犯人なんだろうと誘導されいていくわけですが、実は無罪であり、全く別の者が真犯人だった・・・と。

同じ「ABC殺人事件」で、デビッド・スーシェが主演した同じくドラマシリーズの「名探偵ポワロ」版もついでにみて見たのですが、そのテイストは全く違いました。このデビッド・スーシェ版の方は、明るいというと語弊がありますが、少なくともマルコビッチ版とはそのテイストを大きく違えています。

どちらが原作に忠実なのか?小説を読んでいない私には判断がつかないのですが、名作が何度も映像化されるにあたり、どのような個性を肉付けしていくのかクリエイティブの腕の見せ所なんだと思います。

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