ほのぼのとした作風にいぶし銀の業を感じる安西水丸のイラスト

「イラストレーター 安西水丸展」(世田谷文学館)

世田谷文学館で開催中の「イラストレーター 安西水丸展」(9月20日まで)、数々の彼のイラストをはじめとする業績や絵本、旅好きのことなどが紹介されています。安西さんのイラストは、ことさらに自己主張しない、どちらかというとほのぼのとした作風なんですが、その裏にある一つの線に凝縮していく感性に刺激を受けました。

あの村上春樹の本を手がけ信頼を得ていたという安西さんのイラスト、描けそうで書けない独特の味わいがあると思います。この感性をどうやって築きあげてきたんだろうか?

そしていつでも旅に出られるよう準備していたそうで、紀行文と共に旅のスケッチというのも興味深く見ました。

次々と作品を生み出していった安西水丸さん。彼のイラストからは哀愁は感じとることはできても、苦悩を感じることはない。いたってシンプルで人生を楽しむという感覚が滲み出ています。シンプル故に深い、そんな印象。

残念なのは映画に関するイラストがもっとあればな~と、というのは小山薫堂氏との映画番組でそのイラストを楽しく見ていた記憶があったので。

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