利権構造の裏には魔性の女、L.A.コンフィデンシャル

「L.A.コンフィデンシャル」 (1997年)

■製作年:1997年
■監督:カーティス・ハンソン
■出演:ガイ・ピアース、ラッセル・クロウ、キム・ベイシンガー、ケヴィン・スペイシー、他

「L.A.コンフィデンシャル」はジェイムズ・エルロイの小説を原作とした1997年公開の映画。キネマ旬報の90年代のベスト映画にも選ばれていた、シャープでハードな作品。

この映画、社会構造の暗部を炙り出していく形になっているのだけど、煙のない所に火はたたずで、多かれ少なかれ大きな金が動く利権がらみの場所には、隠そうとしても腐敗した癒着の構図の痕跡が見えてくる。

利権がらみの殺人事件、そうしたことが背景に表面化するのは、そこに大きなものを孕んでいるということ。殺してでも守りたい権益。私の好きな映画「チャイナタウン」も、背景に利権構造があり、ジャック・ニコルソン演じる札付きの探偵がそこに絡んでいく話。そこには個では抗えない深い闇の溝が横たわっている。

この「L.A.コンフィデンシャル」は探偵ではなく刑事が主人公。この国家機関が舞台であり、それ自体が問題なのだ。事件を解決するという名目で、強引に解決のストーリーを警察都合で作り上げていく、そのスタイルは恐ろしい。嫌なベクトルが働く・・・。

そしてこの手の話にはよく出てくる?暗闇の河の流れのなかに生息している訳アリの魔性の女性。実にハードボイルドな展開!おもしろかったです、90年代の名作映画「L.A.コンフィデンシャル」。

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