闇の奥へ!アマゾン神話的世界の驚異を描く

映画「彷徨える河」(2015年)

■製作年:2015年
■監督:シーロ・ゲーラ
■出演:アントニオ・ボリバル・サルバドール、ニルビオ・トーレス、他

南米コロンビアの映画と言われてもピンとこないです。地球の反対側にある国、馴染みが薄いコロンビアの映画が上映されるなんてほとんど耳にしない。しかし、この映画を作ったシーロ・ゲーラ監督は2015年カンヌ国際映画祭監督週間で最高賞を受賞している。実力派なのだ。

実際「彷徨する河」という映画を見たときは、ビックリしました。なんと強烈でストレート、そしてど真ん中を貫いてくる映画なんだと。全く予想だにしていなかったぶん、そのギャップが大きく映画観賞後の満足感がとても高かった作品となりました。

時代を違えてアマゾン奥地を訪れた二人の白人探検家、そのガイドを勤めた先住民族の視点から、白人の侵略によって失われつつある呪術的な世界を見事に描いています。聖なる樹木ヤクルナという幻の植物を求めに来た白人とカラマテという先住民、そのやり取り一つ一つがいかにアマゾンという土地を白人らが破壊していくことになるのかが見えてきます。

彼らはアマゾンという大自然と一体化し不要なことはしません。原始宗教的でアミニズム的なディープな世界が広がります。闇の奥へ・・・。

私はこの映画を見ていて、その昔、農耕もなかった日本の縄文時代も同じような呪術的な世界で生きていたのではないか?そんな気がしてきました。
全編モノクロで描かれるジャングルの神話的な世界、はじめは、退屈な感じだったらどうしようか、と思ったのですが、どっこい、とてもスリリングな世界を描いていて、一気に魅了されました。

いろいろ意見はあるかもしれませんが、「彷徨える河」、私にとってはベストな作品でした 。

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