人類最古の洞窟壁画の造形が素晴らしすぎる。

フランス・ショーヴェ洞窟の壁画

南フランスの ショーヴェ洞窟には今から3万2000年前に描かれた世界最古級の壁画があるといいます。その洞窟はそれまで2万年前に描かれたというラスコーの壁画を遥かに上回る太古の時代の壁画で、1994年に発見されたといいます。この洞窟は約2万年前の落石により閉ざされてしまい、きわめていい状態で保存されたそうだ。

この洞窟の撮影に、「フィッツカラルド」「アギーレ神の怒り」で、私も好きな映画監督であるドイツのベルナー・ヘルツォークが、その洞窟の内部を3Dで撮影したドキュメンタリー映像「世界最古の洞窟壁画 3D 忘れられた夢の記憶」(■製作:2010年、■監督: ベルナー・ヘルツォーク )。10年前の公開当時、話題になったのを記憶しています。公開時、私は見逃したのですが今回それを見たのですが、あまりにも素晴らしく、壁画を描いた古代のアーティストに驚いたのでした。

まるで墨で描いたようなウマ、マンモス、サイ、ライオン等の壁画の数々。それらの表情が、特に目の表現が素晴らしいのです。あるいは、今まさに動きださんとするアニメーションのような造形の数々。 人類史上とても貴重な壁画のため、撮影にはかなりの制限があったようですが、カメラに収められた映像はそれでも当時の彼らには素晴らしい文化があったことを端的に表しています。

その中で解説していた考古学者によると、地盤が柔らかく保存上、撮影ができなかったそうですが、人が描かれている所があるといいます。描かれているのは女性。太古のビーナスとしてよく本にも出てくる下半身の臀部が膨らんだものと同じよいうな造詣なのですが、頭部が野牛の頭なんだといいます。そこには牛の角もあるとか。つまり人と動物が結合している絵なのだと。あるいは熊の骨が台座のようなところに置かれ、なんらかの儀式をしていた可能性もあるという。

3万年前以上の人類が残した遺産、それは私の想像をはるかに超えるクリエイティブが高いものでした。

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