瑞々しい感覚で描かれたある家族と恋人の話

映画「WAVES/ウェイブス」(2019年)

■製作年:2019年
■監督:トレイ・エドワード・シェルツ
■出演:ケルヴィン・ハリソン・ジュニア、テイラー・ラッセル、他

新しい若者をテーマとした映画が「WAVES/ウェイブス」、斬新な手法で評価が髙かった作品。登場人物は中流の黒人家庭。高校生の兄妹のそれぞれの人生が描かれます。基本、アメリカの高校生はマセているなと思いつつ、兄のタイラーはレスリングの選手で恋人のアレクシスとはラヴラブの関係にあり、前半はそれが瑞々しく描かれます。しかし、彼女が妊娠していたという話が出たこととにより二人の関係は悪化。愛と憎しみは表裏一体、嫉妬に支配されたタイラーは思わず彼女を殴打してしまい、打ちどころが悪かったのか、死亡してしまう・・・。

若くして思いもよらぬ結果となり殺人罪として30年の刑を。SNSではタイラー家族への誹謗が、妹のエミリーは人目を避けるよう苦しんでいる。そこへ一人の若者が現れ、恋に落ちることになる。二人がお互いを求め合う様子を見ていると、美しい。それは若さの特権としかいいようがない輝きがありました。このエミリーが実にいい演技で、この物語の中において優しさを醸し出しており、とても魅力的に感じました。

青春の挫折、恋人との出会いと別れ、親子の確執、家族の絆・・・そうしたものを、途中に画面のサイズが変わったり、全編に渡りその場面場面の気分を表すかのように音楽が流れます。この重要な要素である音楽、最近の音楽について年齢的にも疎くなっており、ほとんどはわからずじまいでした(笑)いろいろな実験的な試みがなされた瑞々しい新感覚の映画と思いました。

WAVES/ウェイブス【通常版】DVD

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