ビバ、フェリーニ! 文字通り‟女の都”で右往左往する中年男

映画「女の都」(1980年)

■製作年:1980年
■監督:フェデリコ・フェリーニ
■出演:マルチェロ・マストロヤンニ、アンナ・プルクナル、バーニス・スティーガース、他

フェデリコ・フェリーニの映画「女の都」は、ちょうど私が多感な学生時代に同じくフェリーニの「カサノバ」とともに公開され、世の中にこんな映画を作って、いわゆる興行する映画監督がいるんだと大変驚かされた作品です。

この「女の都」は、マルチェロ・マストロヤンニ演じるスナポラッツという中年男性の、一篇の夢を描いた映画。夢といってもそれは壮大に描かれ、男性の女性への憧れ、不可思議さ、願望などがエロティックな象徴が混在し描かれているフェリーニ流女性論といった風なのです。

例によって、フェリーニの他の映画同様にストーリーらしきものはなくエピソードの積み重ね、それらは脈絡のない夢の表現に近いので、もしかしたら、フェリーニは夢としての映画を前提に作り続けてきたのかもしれないと思ったのです。

今回の「女の都」は汽車で眠る男が明快に描かれているので、夢というキーワードはより顕著と言えそうです。

主人公の男が迷い込んだのはフェミニズムの嵐が吹き荒れる女性だけの砦。主人公の男は女達にこけにされ笑われます。この女性パワーには圧倒され、積年の女性の言い分が一気に噴出した感じです。オロオロするスナポラッツ(マルチェロ・マストロヤンニ)。フェリーニにとって女性は大きな存在、それは映画を見ているとわかります。そこかしこにその要素が出てくるのですが、畏怖すべき点も含めてこの「女の都」では一気に噴出しているかのよう。

いろいろあるけど、やはり、女性は男性にとって自分にとっての女神と出会うことができるか?それが幸せの一要因と思うのです。

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