日常から自在にアート!ソール・ライターの世界

ソール・ライターというカメラマンが残した数々の写真。独特の魅力を放ち、惹かれるものがあります。大胆とも言える構図が独特のセンスを生み出し、まるで映画の一場面のように雄弁に語りかけてきます。

撮れそうで、撮れない、そんな印象的な作風は、どうやら一部の若者にも人気でInstagramでソール・ライター風というのがあるらしい。
1950~60年代、まだまだカメラの現像が今のスマホで気軽に撮れるデジタル化された写真とは違う時代、掟やぶりのまさかの構図で撮るなんて、思いもよらなかったに違いない。

しかし、思いもつかない構図により生み出された世界は、被写体となった景色や人物に想像を膨らませるし、何よりもカメラを向ける側のソール・ライターの視線が、ここからのこの感じのカットが面白いだろ?と問いかけてくるのであり、何気ない日常を愉快に楽しむ彼の豊かさを感じずにはいられません。

すごいのはソール・ライターが日本に紹介されたのはほんの数年前ということ。それがいきなり人気のカメラマンとなり、実はカラー写真のパイオニア的な存在だったということ。さらに彼が撮り続けたのは彼が住んでいたニューヨークがほとんどであったということ。つまり、都市のよく見かけ素通りする光景が一度彼のレンズにかかるとたちまち魔法のように、光輝いてくるのです。

「永遠のソール・ライター」展(Bunkamuraザ・ミュージアム/2020年9月28日まで開催中)

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