古代ルーン文字には魔術的なパワーがあるという

ルーン文字とは、古代北欧のゲルマン民族が使用していたといわれている起源が特定できていない古代文字。ポール・ジョンソンの「ルーン文字」という書物によると、『ルーン文字は実用的な目的で、あるいは呪術を目的として、数多くの遺物に刻まれた。そして暗号、謎かけ、詩などのかたちで、神託をたまわる道具、呪術的なシンボル、暦として使われてきた。』と書かれています。

ポール・ジョンソンの本

世界に残されている古代文字としては、なんといってもエジプトのヒエログリフが有名ですが、北欧の古代遺跡にもルーン文字は残っています。どんな形で?私も実際には見たことがないのですが、そのレプリカを東京で見ることができます。

東京・日比谷公園には、ルーン文字の石碑(レプリカ)が建っているのです。案内のボードによると

日比谷公園の石碑

「古代スカンジナビア碑銘譯  スカンジナビアの人々が、1957年2月24日ヨーロッパより北極経由で、日本への空路を開拓しました。この碑は、北極航路開設10周年を記念して寄贈されたもので、スカンジナビアのバイキングの古代北欧文字碑を模したものです。」

と書かれています。よく知られたバイキングとは、「8世紀末から 11世紀中頃までヨーロッパ,ロシアに侵入,略奪と商業によって大きな影響を与えた北方ゲルマン族」(ブリタニカ国際大百科事典)で、このルーン文字を使っていたと言われています。

ルーン文字は、魔術文字ともいわれ、写真のように曲線はなく直線のみが使用された象徴的、記号的な形態で、上記のポール・ジョンソンの書物のように、呪術や秘儀などシャーマンも使ったともされ、目に見えない力を受け取る不思議なパワーを持っていると信じられています。ルーン文字は、北欧ゲルマン神話とも密接な関係にあり、宇宙樹ユグドラシルの天上に住む最高神オーディーンが、この文字を発見したとされています。

20世紀にはドイツのナチ党がゲルマン文化の継承者として、ルーン文字を象徴として使用した残念な歴史もあります。シゲルというルーン文字を二つ並べた重ね稲妻のSSの紋章や同じくシゲルを重ねたハーケンクロイツなどがそうだと言われています。ヒットラーはその文字の持つパワーを利用したんでしょうか?

不思議なパワーと象徴的な意味を持つとされるためルーン文字を多くの占術師も、タロット・カードと同じように神託として「ルーン文字占い」を取り入れて活動しているのも目につきます。ゲルマン神話と関係性が深いと書きましたが、宇宙樹ユグドラシルは9層の世界がありますが、占いにおいても「9」という数字には意味があるようです。また、最近は「ミッドサマー」という映画にもこの文字が使われて話題になりました。

ルーン文字も象徴性ですが、たとえば、フィー(Feoh)という文字は家畜という意味があり、飼われている牛をさし、財産や富という象徴性を持っています。しかしその裏には柵やエサ、水といった管理コントロール面の側面がある重層的な意味があるのです。一方でウー(Ur)という文字には、同じ牛でも野生の牛という意味があります。そこには生命力や力、強さといった象徴的側面があるのです。

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