双子がテーマの心理サスペンス映画「二重螺旋の恋人」
映画「二重螺旋の恋人」(2017年)
■製作年:2017年
■監督:フランソワ・オゾン
■出演:マリーヌ・バクト、ジェレミー・レニエ、他
フランスの人気映画監督による「二重螺旋の恋人」は、独特の設定によるエロティック心理サスペンス映画だった。
パリに住む独身女性のクロエは、原因不明の腹痛に悩まされ、精神分析医のポールを訪ねます。通いつめる中で、二人は恋に落ち、同居を始めますが、ある日、女性は街中で男性と瓜二つの男を見かけます。男は双子の兄で精神分析医。疑念を抱いた女性は偽名を使い、双子の兄のカウンセリングを受けるようになりますが、傲慢で粗暴な兄の誘惑に負け、一線を越えてしまう。
このような展開であれば複雑な人間関係のもつれということなのですが、さらに映画は一捻りしてあり、少しホラーテイストもあり、何が現実なのかわからなくなってくる。それがややこしいとも感じるし、そうきたかと唸るとこでもある。これ、好きか嫌いか個人差が出る部分だなと。
ところで、映画の重要なポイントである寄生性双生児とは、双子の一方が発育不全や死亡し、もう一方の胎児に一部が取り込まれてしまう現象ということらしい。具体的には、亡くなった胎児の一部が生き残った胎児の体に付着したり、体内に残って生まれてくるとか。この現象は非常に稀で、50万人に1人の確率で発生するとされて通常は手術で取り除かれることが多いみたいです。サスペンス映画作りやすい素材ということですね。