メキシコの暗部に切り込んだ秀作!

映画「母の聖戦」

メキシコの大統領選挙で、与党のクラウディア・シェインバウム氏が勝利し、メキシコ初の女性大統領になったと報道があった、と思ったら、数日後も、こんな記事もあった。 メキシコで史上初めて女性大統領が誕生して数時間後、現職の女性町長が銃で撃たれて死亡する事故が発生した。 メキシコでは、麻薬組織などによる殺人や誘拐などの暴力事件が後をたたず、就任後、シェインバウム氏の手腕が問われることになるとも解説があったが、メキシコの闇は想像以上に深いと感じてしまう・・・。

映画「母の聖戦」は、まさしくそんな現実に切り込んだ映画だった。映画「母の聖戦」は、誘拐ビジネスが横行するメキシコを舞台に、我が子を取り戻すべく奔走する母親の姿を、実話をもとに描いたという社会派の骨太ドラマだった。実は、タイトルのセンスからして、あまり期待をしていなかったが、これがいい感じに裏切られ、とても面白かった。とてもいい作品だったというべきか。

ドキュメンタリー・タッチで淡々と、我が子を誘拐された母の姿を描く。そしてそれは、とてもスリリングで目が離せなくなる。この映画を見ているとメキシコ、やばいじゃんってなる。それがこの映画の持つ力だと思う。あえて、暗部を浮き彫りして実態を暴き、社会の浄化を期待する。映画とはそんな力があると信じたい。

聖戦とあるけれど、スーパーマンの母親が登場するわけではない。我が子を救いたい一心で行動する。その姿勢に心が打たれるのだ。結局、娘は救われるのか?映画的に見て優れた作品だと思う。性善説、性悪説、人間をどう見るのか?そうしたことも考えさせられる映画だ。見るの値する映画。ラストは??といろいろ想像させられるもの、観る側に委ねる、それも物語としても映画の持つ力と痛感した。

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