女神の秘密:9の魔法

ジョージ・ルーカスの「スターウォーズ」に多大な影響を与えたという著名な神話学者ジョーゼフ・キャンベル「神話と女神」という分厚い本によると女神の数字というのが出てきます。

ここで数字というのは数秘術に見ることができるように、宇宙の摂理を数字は表現しているという考え方です。

ジョーゼフ・キャンベルによると、女神を象徴する数字は「9」。9は3×3であり、エウプロシュネは喜び、アグライアは輝き、タレイアは豊饒を表すというギリシャの三美神は、アプロディテの3つの側面を表しているといいます。

さらに、432という数字も興味深いもので、4+3+2=9となります。

インドの聖典「プラーナ」によれば、4つある時代の中で現代は最後の時代のカリ・ユガと呼ばれる時代で、43万2000年続くとされています。

アイスランドの「詩のエッダ」、私は読んだことがないのですが、ジョーゼフ・キャンベルによると、戦士の館であるヴェアルハラには540匹の犬がいて、時間の周期が終わり、世界が終末を迎えると800人の兵士が現れ、神々に反対する者たちと戦い、お互いに宇宙を破壊します。800×540=43万2000という計算になります。

紀元前2世紀のバビロニアの神官、ベロッソスは、最初の都市であるキシュの出現からノアの箱舟のモデルである洪水までの時間は43万2000年であると指摘したといいます。

地球では、歳差運動と呼ばれるものがあります。これは、月や太陽などの引力が働くため、地球の自転軸が長い時間をかけて方向を変える運動です。地球の自転軸は約25,920年周期で、まるで首を振るように揺れ動くのです。つまり、春分点が天の赤道上の黄道帯を通過するのに約25,920年かかります。これを1時間=60分の60進法で割ると432になります。

インドでは女神に108の名前があり、仏教の煩悩も108です。108に4を掛けると432になります。また、1+0+8も9になります。

天使ガブリエルがマリアに「受胎告知」をするシーンを黙想しながら聖母を賛美するアンジェラスの鐘は、朝に3回、昼に3回、夕方に9回鳴らされます。

成人男性の安静時の心拍数は1秒あたり1回程度、1分間に60回程度です。つまり、12時間で4万320回になります。

体調が崩れると心拍も乱れます。神話の基本は律動やリズムであり、宇宙とリズムを調和させることで体調の乱れは回復します。神話のリズムは人を癒すとキャンベルは言います。

このように魅力あふれる女神の数字である「9」は、私たちをワクワクさせるのです。キャンベルによると、宇宙の律動とリズムに身を委ねることで、私たちは自己の一部としてその偉大なエネルギーを感じることができ、女神のパワーが私たちを包み込み、私たちの人生を豊かに彩るのです。

キャンベルは、ゲーテのこの言葉を引用しています。

「永遠の女性なるものよ。引きてわれらを高みへと導かん」

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