日の丸の赤は何を意味していますか?と問いかける・・・

映画「日の丸 寺山修司40年目の挑発」(2023年)

■製作年:2023年
■監督:佐井大紀
■出演:高木史子、シュミット村木眞寿美、他

1967年というと私は5歳、その年にTBSが仕掛けた日本サブカルチャー史における風雲児・寺山修司による街頭インタビューによるドキュメンタリー番組がこの映画のベースだ。

日の丸の赤は何を意味していますか?

あなたに外国人の友達はいますか?

もし戦争になったらその人と戦えますか?

こうした挑発的な質問を街頭インタビューで投げかけて行く。放送当時、抗議が殺到し、閣議でも偏向番組として取り上げられ、日の丸への侮辱と問題視され郵政省がTBSを調査したという伝説の番組。

それを現代の若きディレクターが新人研修で見せられ、衝撃を受け、安倍元首相暗殺、ウクライナ問題はじめ、国家とは?という概念が揺らぐ今に、もう一度寺山修司が投げかけたことを投げかけてみたらどうなるかという意欲作。

ただ当時と今の意見の違いなどが浮かび上がるのかなと思いきや、当時はどんな想いでそれをやったのかという検証的な展開となり、私的には今一消化不良な感じがしなくもなかった。

戦争 、敗戦、オリンピック、安保闘争、高度成長と変化を遂げていく日本人がどんな感じでいたのか?あるいは個人情報もどこ吹く風と不意にカメラを向けられてどんな反応をみせたのか、そうしたことをもっと見たい気がしました。今じゃ寺山修司がやったことはとてもできないだろう、それだけ波紋を起こすようなことをした。そこをあえて今という風潮に強引に切り込んだらどうなるか?

若い時に在日二世の友人が、日の丸は血の丸と言っていたことを思い出す。それは自身の歴史を負う故の言葉だろう。果たして今の人たちは?なので当時と現代の言葉を対比させて欲しかった気がします。

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