ベリーダンスは神々に捧げる踊り?

ベリーダンス、その起源は諸説あるようですが古代エジプトとも言われ中東地域で踊られるもの。腰を、くねらせるためベリー(腹部)と欧米で呼ばれているのが定着したようです。エジプト起源かもしれないというのが、なにかイマジネーションを刺激してくれます。古代エジプトは神々がいた時代、そうなると・・・。

くねくね動くので官能性が強調される部分もあるようですが、視点を変えると、街では歩けないような飛びきり煌びやかな衣装を着て音楽に合わせて女性特有のしなやかさを見せながら踊るわけですから、もし私が女性だったら?と想像すると自身の女性性を開花させるもののような気がする一つの手段のように感じます。

たとえば、男性が柔道や空手といった武術により自身の男性性を開花させていくようなもんじゃないかと思ったりするわけです。そうしたところが、女性においてより強調されたものがベリーダンスなんだろうと思います。現代の女性のファッションの一つとして、へそ出しルックというのがありますが、それを飛躍させていくとベリーダンスにつながっていく?(イメージの飛躍をさせすぎか?)

中東イスラム圏で踊られるダンスと言いながらも、その起源はイスラム教以前ということなので、もっと宗教的な儀式に近いものではなかっのか?と私は思います。日本でも踊りを奉納するというのがあるので、ベリーダンスも神々と近いものであったんじゃないかと・・・。私はベリーダンスの所作についてどんな意味があるのか、さっぱりわかりませんが、どこか神々に語りかけているようにも見えてきます。

私はオスカー・ワイルドの「サロメ」という作品が好きなのですが、それは聖書に書かれた数行の話をオスカー・ワイルドがイマジネーションを膨らませた話。そこにサロメの7つのベールの踊りというのがあり、たぶんそれはベリーダンスなのではないかと。踊りの報酬としてヨカナーン(ヨハネ)の首を要求するという魔性の女サロメ。その不条理感がなんともいえません。

ところで、写真はベリーダンサーMIHOさんという方のDVDです。このMIHOさん、タロット占いもしており、私が注目する映画監督のアンドレ・ホドロフスキーの「タロットの宇宙」という本に触発されて(ホドロフスキーもタロットをします)、タロットカードの大アルカナ22枚の図柄をダンスで表現するというライブパフォーマンス「タロットの宇宙」という企画を5年ほど前に企画しています。

私はそれを偶然知ったのですが、時は遅し、公演は終了した後。なんとかそれを企画として実現できたらいいなと思っていましたら、なんと今回、公開収録という形で実現し、それを映像化し配信することとなりました。配信は9月を予定しているのですが、22枚のタロットカードを即興の音楽と10名近くのダンサーがそれぞれの解釈で踊るのです。一説にはエジプト由来とも言われている謎の図像としてのタロットカード、そこにダンサーが独自の解釈で踊り、音楽も即興で。このコラボレーションは三つ巴の無意識領域に切り込んだものと言えそうです。

というのは?タロットについて、いろいろ見方はあるかと思いますが、私は一種の神託に近いと・・・。長い歴史、時代の風雪を耐え人生の様々な局面を象徴的な表現で合わした図像。そこには偶然性、シンクロニティといった神秘的な側面もある。それだけじゃない、ひとつの課題があったとき、1枚のカードをひくだけでも、その図像を見ながらどうしたらいいのか?という思考のヒントにもなり得る。著名なゲーム作家もタロットを愛用しているといいます。いろいろ面白くなりそうです。

ベリーダンサー・MIHO プロフィール

Studio ritam 主宰。オリエンタルダンサー&インストラクター。タロットリーダー。ターキッシュベリーダンスを基盤とした、ダイナミックかつエレガントなベリーダンサー。トルコでレジェンドダンサー「セマ・イルディス」に師事。1995年より、日本におけるベリーダンス先駆者の一人として活躍。様々な国の音楽やダンスを取り入れ、ワールドフュージョンベリーダンスとして唯一無二の世界感を作っている。踊りに通じる感性を活かしたタロット鑑定士としても活躍中。
http://raksmiho.com

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