ムスリムの世界を紹介した展覧会

「イスラーム王朝とムスリムの世界」展(東京国立博物館)

東京国立博物館「イスラーム王朝とムスリムの世界」展が開催されています(2022年2月20日まで)。昨日の記事でも書いたのですが、私はムスリムの世界について、世界においてその人口比が多いもの、日常的に接する機会がなく、ほとんどと言っていいほど知りません。なので手っ取り早く3冊ほど本を読んでみました。

世界宗教としては後発ながらも1000年以上の歴史を持つイスラーム。その歴史ではいくつもの王朝が現れてきます。正直、私はそうしたことも疎いのです。しかしアッバース朝においてはギリシャ思想、インド医学、ペルシャ文学などのアラビヤ語の翻訳が進み、バグダートは知識の中心地になったと言われています。そしてそれらはヨーロッパにも大きな影響を与えたそうです。

この東京国立博物館での展示は、マレーシア・イスラーム美術館の収蔵品から200点ほど集めたものです。なので美術工芸品が中心の展示。上記にも書きましたが、私はムスリムについて知らないことだらけなんです。

この展覧会や図録によるとムスリムの美術は3つの装飾的な特徴があると。①幾何学的な紋様 ②渦を巻く植物紋様 ③文字紋様 1000年に渡って同一の装飾表現に固執し職人たちに受け継がれたそうです。

点と点が線で結ばれ、円を描き重ねていく抽象的な幾何学文様、その終わりのない永続的な存在は、神の唯一性と無限の属性として神秘的に解釈されているようです。渦を巻く植物紋様は1本の茎から、2枚の葉が、さらに先端から茎が伸び葉がついていくという繰り返しと永遠性。それは楽園と関係づけられいるとか。28のアラビヤ文字で書かれた署は、美術工芸の表面を飾ると同時に、神の言葉を広めるために装飾され、それを消したり書き換えたりするのは忌避され、一度記された書は長期間使われるといいます。

「クルアーン」(マレー半島)
幾何学文様
渦巻く植物紋様
文字紋様

以上は、展覧会の図録を参考にしましたが、またこのような機会があれば見てみたいと思うのでした。

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