私にとっては遠いイスラム、なのでもっと知りたいと・・・
世界でキリスト教について信仰が多いと言われるイスラム。私は地球レベルでの隣人であるイスラムの人々の信仰や文化について全くといっていいくらい無知であります。基本、TVのニュースは事件と言った悪い情報を流すものなので、危険な国?といったようなイメージが操作されてしまう。
思うにいいところがなければ、世界宗教としてキリスト教や仏教と比べて後発のイスラム教が、これほどまで広がることはなかったでしょう。イスラムにおいてはキリスト教でいうところの宣教師なる存在はないわけですから、強引に普及した歴史はないようですし。交易の過程でイスラムが広がったと書かれていました。
なぜ、私が興味を持ったかと言うと、イスラムは信仰上の理由により土葬が基本であるということ。日本では外国人労働者を受け入れ、日本人が嫌がる仕事の一端をイスラムを信仰する外国人が担っているという部分があるかと思うのですが、日本経済の下層部分を支えてきたイスラムの方が亡くなったとき、土葬ができる場所がなく大変困っているということを知ったからです。
もともと日本人は地理的・歴史的な性格から割とムラ的なところがある上に、上記に書いたようにイスラムにとってイメージが悪いニュースばかりが流れるので、よけいにイスラムの方の土葬を引き受けてくれる場所がないというのです。その場所が見つかるまで、キリスト教の教会がイスラムの方の土葬を引き受けているところもあるということも知りました。仏教界は引き受けてくれないのだろうか?そんなことを思ってみたり・・・。
いろいろな理由があるかと思いますが、イスラムを信仰する人にとって日本は生きづらい場所と思ったりされるとよくないんじゃないかと思いますし、かく言う自分もイスラムについて全く知らない。知ってみようとさえこれまでしてこなかった。そんなことを思ったのがきっかけです。ということで、いくつかのイスラムに関する本を読んでみました。
いずれにせよ、アラブ人はもとは多神教の民族だったのが、預言者ムハマドによりアッラーから啓示を受けることからイスラムは、はじまりますが、そもそもユダヤ教のヤハウェもキリスト教のゴッドもアッラーと同一の神を指しています。
アッラーの啓示を受けるために歴史上に何人かの預言者がいて、出エジプトで知られるユダヤ教のモーセも、あるいは、イエス・キリストも預言者の中の1人であり、ムハマドが最後の預言者ということになっている。ヤハウェ=ゴッド=アッラーなわけです。そして唯一絶対神の言葉が「コーラン」となる。この唯一絶対の神は、この世界、この宇宙のすべてであり、人の姿をしているのはおかしいということで、偶像崇拝を禁止している。
イスラムから見ればユダヤ教やキリスト教は、ムハマド以前の神の啓示を信仰していることになり、旧約聖書や新約聖書も重要な記録となる。なので税を払っていれば信仰は認められ共存共栄をしていた。
ペルシャのイスラム神秘主義の詩人ジャラール・アッディー・ルーミーは、その作品の詩において、キリスト教、ユダヤ教、イスラムは教義の差こそあれ、求める神や真理は同じであると発言したといいます。イスラムの根本の概念はアッラーを信じ、この世に正義、平等を実現し、弱者に対する同情や共感を持つことであると。
イスラムは、私にとっては地域的にも心理的にも遠い地でありますが、これをきっかけにもうすこし理解を深めたいなと思いました。
「道はいろいろ違っても、行きつく先はただ一つ。」(「ルーミー語録」井筒俊彦・訳)