増上寺の狩野一信が描いた五百羅漢図、忘れ難い強烈なインパクト!

東京・芝公園にある増上寺。後ろには東京タワーが見え徳川家とも縁が深い浄土宗のお寺。雪がシンシンと振り、案内をしていた体が心底冷えた、舩井幸雄の公的な葬儀が行われたのはこの増上寺でした。ここには、幕末時代に狩野一信という絵師が描いた全百幅の「五百羅漢図」があります。明治の廃仏毀釈、第二次世界大戦の空襲の惨禍から奇跡的に五百羅漢図は残ったといいます。

先日、伊藤若冲の五百羅漢石仏の記事を書いたので、そういえば増上寺にすごい五百羅漢図があったなと、記憶の線がつながり、本棚を調べてみました。2011年に増上寺の狩野一信筆「五百羅漢図」が全て一堂に展示された企画がありました。今から10年前のことです。ほどんど知られることがなく陽の目を見てこなかった狩野一信の絵。10年の歳月をかけて描いたという「五百羅漢図」は、想像を絶するほどのすごい絵だったのです。増上寺にこんな素晴らしい絵があり、美術史家も驚かせたという狩野一信。

10年前に見た時のインパクトは強烈でしたし、それは今見ても変わりません。仏のパワーは、まるでSF怪獣映画のようなビーム光線を放ったり、大蛇の口の中で平然とする羅漢は忍法妖術武芸帖とかを連想させますし、顔の皮膚をベリベリっと剥がし、羅漢実は不動明王であり観音菩薩だったというようなまるで江戸川乱歩の怪人二十面相のような変身を見せるのです。幕末期にこのような創造力、感性で描かれたのは驚きという言葉がぴったりのような気がします。

狩野一信の忘れ難いインパクトある五百羅漢図

Follow me!