巨石を信仰したかの地に一度行ってみたいと思う
「巨石」山田英春・著(早川書房)
図書館で山田英春氏というブック・デザイナーの方の「巨石 イギリス・アイルランドの古代を歩く」という本が目に留まりました。巨大な石、それは日本においても磐座と呼ばれるように神々がそこにいるという信仰が古代にありましたし、現代の私たちがその巨石を前にするとなにか神々しい感じがして、神がそこに宿っているような感覚になります。
山田氏は、これら巨石がストーンサークル状に並んだものや、直線状に並べられた列石、あるいは巨石を単独でたてたスタンディングストーンなどが数千もの数があると言われているブリテン島やアイルランドに取材し、一冊の本にしたのでした。
私はイギリスやアイルランドに行ったことがないので、そうした巨石群を一度は見てみたいものだと憧れの感覚でその本を眺めたのでした。写真を見ているだけでもそれらには何かしら神々しい感覚が伝わってきて楽しい感じを味わったのです。
実際にみたことがないのでなんとも言えないのですが、それでもそれらの巨石群が「あまりに大きな岩なので、人間の仕業ではあるまい、ずっと昔、ブリテン島に住んでいた巨人たちが置いたものに違いない、これは巨人が輪投げ遊びをした跡、煮炊きをした跡、テーブルとして使っていたものなのだーそう思われていた時代があった。岩の下には妖精が棲む世界が広がっていて、夜な夜な岩の周りに現れるのだと言われていたことがあった。」というのも、わかるような気がしてくるのでした。(「」部分「巨石」山田英春・著/早川書房より引用)有名なストーンヘンジは、あのアーサー王伝説にでてくる魔術師マリーンが、アイルランドから岩を呪術を使って運び並べたという話もあるようですから・・・。
しかし、実際は今から4,000~5,000年以上前に人が置いたものであるという。その時代、人が農耕をはじめ家畜を飼い青銅器を作ることをおぼえた人たちに作られた施設の名残りなんだと。
気も遠くなるようなその昔、私たちの祖先が造った巨石群の遺跡。とくにあまりにも有名なストーンヘンジと石に渦巻模様が刻まれたニューグレンジの遺跡、ともに夏至になると太陽の光が特別なところに差し込むという不思議な建造物には機会があれば行けたらいいなと想いを馳せるのでした。