「ゴジラ対キングコング」から地球空洞説へ
私の世代においては、子供の頃、ゴジラ、キングコングは欠かせないキャラクター・アイテム。そのゴジラとキング・コングが闘うという映画が公開されると言えば、待ち遠しく見る前からワクワクしてしまうのは当然のことなんだろう。ネットではゴジラとキングコングが闘う予告編映像が流れ、興奮しながらそれを見る。しかし、コロナ禍による緊急事態宣言が出て、映画の公開は延長になりました。これは配給側からしたら打撃です。なぜならマーケティングのタイミングがずれてしまうから。盛り上がって盛り上がって公開、このタイミングが狂ってしまうから。タイミングって大きいと思うんですね。アメリカにおいてコロナ禍のなかでの最大のヒット作と聞いていたのですが、実際の映画館はすいていました。なのでそんなことを考えながら観ていました。
CGが発達し、さすがにかつて東宝が作った1962年に作られた「キングコング対ゴジラ」(私が生まれた年の翌年!)と比べるとリアル感が格段に上がっています。今回の「ゴジラvsコング」はよく見ていくと60年近く前に作られた東宝の映画へのオマージュ的な部分も見え隠れします。そして、このキングコングとゴジラの二匹の怪獣とともにメカ・ゴジラが登場し三つ巴の戦いとなります。本来、CGを多用した映画はあまり好きではありませんが、この映画は比較的楽しく見ることができました。やっぱり2大怪獣ヒーローが出ているからだと思います
ところでこの映画では、この時代を反映してかイルミナティという言葉が出てきたり、巨大怪獣の故郷として地球空洞説という設定で描かれています。
地球空洞説
地球空洞説とは地球の内部はマントルなどが詰まっているのではなく、空洞になっているという話なのです。そんなことあるの?というのですがハレー彗星の発見者である天文学者のエドモンド・ハレーや放射線研究の物理学者ジョン・レスリーなどの科学者がが地球空洞説を支持していたという話もあります。
映画に戻ると2019年に公開されたSF映画「アイアン・スカイ/第三帝国の逆襲」は、未来の地球は核戦争による放射能まみれとなっており、地球内部が、小さな太陽が輝く空洞世界になっているアガルタがあると判明し人類はそのアガルタに移住を計画する。そこには太古の恐竜がいてアドルフ・ヒトラーとナチスの残党が君臨していた・・・そんな話の映画がありました。
ヒトラーは事実、1933年から南極の遠征隊を組織し毎年のように送り込んでいたと言います。南極の地下にはレインボーシティ伝説なるものがあり、それは250万年前に飛来した異星人ハクランが建設した都市なんだそうで、ヒトラーはその伝説にとても興味を持っていたといいます。
こうなってくると、いろいろなものが映画につながってきます。1920年にアメリカのマーシャル・ガードナーが「地球内部への旅」という地球空洞説を発表、凍結されたマンモスについて実は地球内部にマンモスはいまだにいるのだと紹介。さらに1969年にアメリカのレイモンド・バーナードは「地球空洞説」という本で、アメリカ空軍のハイジャンプ作戦なる秘密裡に行われた作戦で地球内部に入り、バード少将なる人物がマンモスに似た巨獣を見たという、さらにその風景は極致では見ることができない、森林や河川が広がっていたというのです。
ありえないのでは?と一般的には思われる地球空洞説、地球の地下には、チベット密教のカーラチャクラ・タントラにはシャンバラと呼ばれる理想郷があると書かれているそうですし、ヒットラーは南極以外にもチベットに地下への入口があるのではないかと、やはり探索のための遠征隊を結成していたという事実・・・。地球の内部にあるアガルタの入口は極致にあると言われており、映画「ゴジラvsコング」 でも、キング・コングを極致に運搬し地球内部に広がる別世界へと導いていました。果たして、それは映画の中の創造の世界なのか?もし本当に別の世界があれば、それはそれで面白すぎるとなってくるわけだが。