安西先生に教わる、おもしろ美術一年生!

「安西水丸 おもしろ美術一年生」(Coyote)

先週、世田谷文学館で開催されている「イラストレーター 安西水丸」展を観てきたのですが、その活動をみて刺激を受けミュージアムショップで販売していた「Coyote Mook 安西水丸 おもしろ美術一年生」を購入、氏の創作の秘密の少しでも味わうことができたらと思ったからです。別に私は美術家ではないのですが、氏の姿勢の一端がわかれば仕事を面白くするためのヒントがあるのではないかと。

わくわくする好奇心、美術はいつもそこから始まる。安西氏は理想の美術の教科書を作ることが夢だったそうです。本は安西氏が残した言葉や、ともに過ごした人々の証言から絵の描くポイントをまとめています。「絵で大切なのは、技術ではなく、描く人の気持ちが表れていること」なのだと。絵にはルールはないものの、実はこの「描く人の気持ちが表れていること」こそが、最も難しいのでは?そして、私がこの本を購入したのは安西氏の絵には、安西氏の気持ちが表れておりそれを知りたかったと思ったからなんだと思う。

何を描けばいいの?
1.どんなものでも主役になる―目の前にあるものを描く
2.コレクションも仕事の内―目の前のものを描く2
3.背中はポートレイト―人物を描く
4.似ないことに誇りを持つ―人物を描く2
5.水丸ギャラリー―人物を描く3
6.絶景だけが風景じゃない―旅を描く
7.子どもの頃の視線を忘れない―記憶を描く
8.主人公の目で見る―映画を描く
9.部屋は人の内面そのもの―部屋を描く
10.すべては線から始まる―線を描く
11.偶然をピックアップ―痕跡から見つける
12.人のフリみて―それでも悩んだら
※目次から

どう描けばいいの?実践編
1.描く前に読み込む―文学の装丁を描く「日本文学全集」 多田進
2.へそを見つける―エッセイに絵を描く「この味」連載 平松洋子
3.言葉を浮かべてから絵を描く―漫画を描く1「東京エレジー」
4.手塚治虫になりたかった少年―漫画を描く2「天才ロボットガンバローン」
5.何度も作る―絵本を描く「ピッキーとポッキー」シリーズ
6.水丸さんのすごさは、絵をなぞるとわかる―オマージュして描く 南伸坊 黒田征太郎
7.もっと知りたい!水丸さんの教え―言葉を支えにして描く
※目次から

もっと知りたい!水丸さんの教え
●楽しさを伝えるのがイラストレーション
●失敗がオモシロイ
●イラストレーションを知るには書店に行くべし
●普通が魅力的
●リンゴを描く時、見た人がリンゴを食べたくなるように描く
●絵は人なり
●絵を描くには勉強じゃなくてあそびが大切
●絵は恋愛と同じ。過ぎるとストーカー
●大変だなぁって思わせる絵は良くない
●一番いい絵を選び、これ以下の絵は描かないと決める
●達者は危険
●色鉛筆を使う時は、この中を塗ると決めたらぐちゃぐちゃに塗る
●リラックスして描く
●簡単な絵ほど難しい
●自分に合った画材を研究する
●慣れてきたら別のペンに変える
●オリジナリティはにじみでるもの
●暗闇から1パーセントの光を見つければ誰でもイラストレーターになれる
●自分の形を見つける
●頭で考えたことより、やってみて楽しいことがあなたに合っている
●自己主張しすぎない。かっこいいやつは、静かにしていても周りに水玉模様が見える
●完成度よりも、あなたにしか描けないものを描いたかが大切
●好きな食べ物はすぐに言えるようにしておく
●周りの人がどんなことをしているかを見ておく
●もてなしの基本は会話である
●絵は見ての通り。俳句と同じ、説明などするとつまらなくなる
●パッと描くと有難味がなくなる
●今段階で、これが最高だ、というものを出す。
●コンプレックスを持つと三千歩くらい後退する。いいなあ、うらやましいなあと思うくらいが一番
●大きい波は続けて三つやってくる
※「安西水丸 おもしろ美術一年生」P80~P81から引用

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