「あるヨギの自叙伝」には精神世界に関するあらゆることが詰まっている

「あるヨギの自叙伝」パラマハンサ・ヨガナンダ(森北出版)

世界の多くの人たちに影響を与えた「あるヨギの自叙伝」という本があります。インドの聖者パラマハンサ・ヨガナンダの自叙伝で、彼は西洋社会にヨガを伝えた重要な人物です。あのスティーブ・ジョブズもipadに「あるヨギの自叙伝」をダウンロードしていたのは有名な話です。

この「あるヨギの自叙伝」は古くからある本で、ヨガナンダの写真があるオレンジと茶色の表紙はいろいろな書店で見かけた記憶がありま。すかなり分厚い本なので今までその本を読んだことがなかったのですが、2年前にネパールのヒマラヤ山脈が近くに感じることができる街ポカラへ行き、そこのショップでその本を見かけたとき、とても読んでみたいと思いました。(ヒマラヤ効果?)

でもすぐには読まず、今年になってその本を購入し読んだのですが、想像していた以上にとても面白かったのです。ある意味、びっくりしました。そして、あらゆる精神世界に関することが詰まっている、そう感じました。

なかには、トラを自在に操る聖者、食事をしない聖者、空中浮遊・・・ええっ?と思うことも多々出てきたりして。さらには、ヨガナンダの師匠筋にあたりヒマラヤで隠棲している不老不死のババジという聖者が出てくるにあたり驚くしかないという印象を。ババジは数千年生きていてテレポートしたり、物質化したりするのだから。

こうしたこの本に出てくる様々なインドの聖者の不思議は、後にいい意味でも悪い意味でもインドにおける精神生活の求道者のひとつのイメージの源泉、ステレオタイプになっていったのかもしれません。想像でしかないのですが。しかし、本を読んでいくと、それらは本当のことだったのだろうか?そんな邪推もしたくなるのですが、私はヨガナンダにとっての真実であったのだろうと考えています。もし多次元世界、パラレルワールドが存在するとして、ヨガナンダは人間の可能性を信じ、さらに意識の有様、意識がおかれた位置が違うために、普通の人には見えていない何か見ていたんだろうと。

前述しましたが、この本に書かれている時に哲学的、宗教的な示唆は深い考察、体験がないと書けないと思います。大げさに言えば、スピリチュアルと言われる今日語られることは、すべてこの本に詰まっていると感じるからです。スティーブ・ジョブズやビートルズに影響を与えたのもわかるような気がします。

また、ヨガナンダは本において、ヒンドゥーのみならずキリストにも言及しており、偉大なるものの根源は同じであるということを言っており、そうしたところが排他的ではなく素晴らしいなと感じたのです。

また、ヨガナンダは母の死に間に合うことができなかったのですが、私も母が入院しておりコロナ禍により、病院側のガードが高くお見舞いに行くことができず、母の臨終に立ち会うことができませんでした。一年前に会った後、会えずじまい。そして私の誕生日に亡くなったと連絡がきました。ちょうどその頃に、この本を読んでいたので、そうしたことも何か感慨深いものがありました。

ところで、聖者ヨガナンダがたえず読んでいる本としてインドの聖典「バガヴァッド・ギータ―」が、たびたび登場してきました。常にヨガナンダは「バガヴァッド・ギータ―」に立ち返っている印象をうけました。あるいは、ヨガナンダがインド独立の父マハトマ・ガンジーを表敬訪問した時も「バガヴァッド・ギータ―」があったと書かれていました。

この「バガヴァッド・ギータ―」とは?紀元前5世紀頃から紀元前2世紀頃に古代インドに記されたといわれ、長大なヒンドゥーの叙事詩「マハーバーラタ」の中の一部として収められているインドで最も重要視されている聖典のひとつと言われているもの。内容はインドの最高のバガヴァッド(=神)が変身した神格クリシュナが王子アルジュナに説いてみせたギーター(=詩)で、「神の詩」と言われています。

この「バガヴァッド・ギータ―」について「あるヨギの自叙伝」では何度も言及されているのです。聖者ヨガナンダ、ガンジーに影響を与えた「バガヴァッド・ギーター」、51コラボでもこの重要な本にスポットをあてたオンライン講座を配信中です。講師は日本のアーユルヴェーダ界の第一人者、その著書も30冊以上でご自身も「バガヴァッド・ギーター」から多大な影響を受けたという西川眞知子さん。戦争の場面から始まるインドの聖なる書物は、コロナ禍で異常事態の現代こそ見直されるべきだと思います。さらにその西川さんには特典として「あるヨギの自叙伝」について言及した映像もあります・

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